2001/9/2(Sun)

　日本選手選抜と、外国籍選手選抜が戦うJOMOカップ。といっても、ゲストプレーヤーが、この夏のコンフェデレーションカップで日本に来日したばかりのエムボマ選手1人ということもあってか、国立競技場はガラガラです。

　4時半頃、アップのために楢崎選手と話しながら出てくる満男選手。昨日は、観客への挨拶に、手を上げ損なったように見えたのですが、今日は、みんなとそろって片手を上げます。アップは、フィールドプレーヤー全部が2組に分かれてのミニゲームなど。昨日とは組分けも違うようでした。パス交換は、中西選手と組んで行っていたかな。

　試合開始前、選手たちは、1人ずつ名前を呼ばれて登場。50センチほどの台の上で挨拶をします。満男選手の背番号は、アントラーズと同じ8番。ソールがアントラーズレッドのスパイクは、緑のJAPAN DREAMSのユニフォームには、あまりしっくりこない感じです。サブの選手も入って、全員が揃っての写真撮影。それが終わると、スタメンの選手たちがピッチに散ります。満男選手も、ゆっくりと歩いてピッチの方に。スタメンなんですね。

　5時過ぎに、キックオフ。満男選手は、中田選手と並んで、ボランチの位置です。しばらくはボールに触る回数も少なくて、ポジショニングを修正しつつ、全体の様子を見ているようです。アレックス選手にボールが入ったときは、素早く寄せています。

　JAPAN DREAMSは、トップ下に1人入った俊輔選手にボールを集めますが、そこで潰されてしまうことが目立ちます。俊輔選手、本調子ではないんでしょうね。

　そのせいか、だんだんに満男選手にボールが集まってきます。5分には、中央でボールを受けて、左のスペースに中西選手を走らせるロングパス。優雅な軌跡を描きます。右の波戸選手にも、いいパスを入れます。

　柳沢選手が落としたボールを、DFに寄せられながら、かなり無理な体勢で久保選手の足元ぴったりにパス。

　ただ、どうも柳沢選手とは合わないみたい。開始直後のワンツーでも合わなかったり。このところ、満男選手と柳沢選手のワンツーは、アントラーズでも合っていない気がします。

　開始9分の失点は、俊輔選手のサイドチェンジのボールがミスパスになり、そのまま相手選手に渡ったところからのカウンター。

　この失点で、本気になったかのように、満男選手の動きが激しくなります。相手選手への当たりも強くなって、積極的にパスカットに走ります。

　最初は右サイドにいた波戸選手は、中西選手と場所を変わって、左に入ります。

　16分、自陣ペナルティエリアの手前で、波戸選手と満男選手が追いつめ、ビスマルク選手からボールを奪います。波戸選手がドリブルで前に進むと同時に、左サイドを上がり始めた満男選手、俊輔選手にボールが渡ると、全速力になり、左サイド高い位置に上がります。一気に70メートルほど走った満男選手、右足でクロスを入れますが、久保選手がうまく受けられません。

　満男選手、前線の久保選手に出したパス、久保選手から回り込んだ柳沢選手に届きません。

　WORLD DREAMS は、3トップ。満男選手は、少し下がり目に入ったツゥット選手と当たることが多いようです。

　中央から、左サイドの波戸選手にボールをさばくことが多かった満男選手。そこから、いいクロスが上がって、柳沢選手のボレー。素晴らしいシュートでしたが、GKに片手で防がれます。

　24分、エムボマ選手のシュートで0-2。

　満男選手は、左の俊輔選手から来た強いパスを、シンプルにさばいて、右サイド、中西選手を走らせますが、ラインを割ってしまいます。名良橋選手なら、満男選手にパスが渡る前に走りだしているところなんでしょうが、初めての顔合わせで、コンビネーションが難しいようです。

　ボランチで下がって守備をしていても、いったん自分たちのボールになると、2列目を追い越して、前線に駈け出していく満男選手。といっても、やはり、後ろから縦にFWの足元に入れるパスが多くて、パスが成功しても、なかなかシュートまで行きません。

　だんだん、高い位置まで上がってくるようになった満男選手、31分、波戸選手が左サイドでボールを持つと、ゴール前に飛び込みます。いったんクリアさたあと、ボールを持った柳沢選手に、手を上げパスを要求しますが、パスが通りません。

　この直後に、左サイドで中田選手からボールを預けられると、ためを作り、ゴール前に柳沢選手を走らせておいてシュート。これは、左ポストの前当たりでGKがキャッチします。

　35分、久保選手に代わって、カズ選手が入ります。入ってくると、近くにいた満男選手に後ろから近づいて、腕を掴んで何かを伝えます。カズ選手、何を言ったのでしょうか、監督の指示かしら。昨日のミニゲームでも、よくパスが通っていたカズ選手ですから、ちょっと期待ができます。

　カズ選手の積極的な動きで、ここまで沈滞ムードだった JAPAN DREAMS も、活気づいてきます。

　柳沢選手がくさびを受けると、前線に飛びだしていく満男選手。アントラーズの時と、全く同じ姿です。そのあと、右サイドの中西選手にボールが渡ると、フリーで大きく手を上げますが、気づいてはもらえなかったようです。

　ビスマルク選手にも厳しく当たりに行く満男選手。なかなか貴重な姿です。

　そして、満男選手の、今日最大の見せ場は、39分。右サイドでの、カズ選手とのものすごく速いワンツー。もしかしたら、パスの出所は、他の選手だったかもしれません。速すぎて憶えてないんです、実は。

　強いライナー性のパスをボレーで、右を駈け上がるカズ選手に出して、一気にチャンスに。スタジアムもどっと沸きます。

　このシーン、TVではCMのために途切れているんですよね。メインスタンド、アウェイ寄りにいたので、目の前で見ることができて、迫力十分で感動しました。

　そこから、カズ選手の入れたクロスは、DFにクリアされますが、アウグスト選手が拾って戻したボールを、ペナルティエリア内で、満男選手がカット、すかさず、後ろにフリーでいた中西選手に戻しますが、中西選手のシュートはバーの上を越えてしまいます。満男選手が絡んで、決定的なチャンスが2回、作り出されます。

　43分、右サイドをえぐった満男選手からのクロスは、ファーサイドのカズ選手に。これは、DFが競り合って勝ちます。

　0-2で前半終了。

　後半は、満男選手が2列目、俊輔選手と並ぶ高さでのスタートです。

　開始早々、DFの裏のスペース、カズ選手に浮かせたボールを出す満男選手。

　後ろの中田選手からボールを受けて、流し込むように、カズ選手にパスして、ワンツーをしようとしますが、これはDFに狙われてしまいます。

　柳沢選手からのパスを受けてのワンツーは、きれいに通ります。ここから俊輔選手が浮かせて、左サイドのカズ選手へ。満男選手は、すかさずカズ選手のフォローに入り、戻されたパスをファーサイドの柳沢選手へ。少しパスが長くて、柳沢選手の頭には合いませんでした。

　JAPAN DREAMS が攻め込んで、クリアボールを満男選手が拾い、中央を上がってきた秋田選手に戻します。秋田選手は、すかさずシュート。きっちり枠に飛びますが、GK正面でキャッチされます。

　6分、右サイドの守備に入った満男選手、アウグスト選手に厳しく体を寄せます。アウグスト選手が倒れて、ファール。ペナルティエリア左端からのFKになります。満男選手、仰向けになったアウグスト選手に近づくと、頭を3〜4回はたいて、苦笑しながら、手を持って引っ張り起こします。あのくらいで倒れるなよ〜と言いたげな感じです。

　中西選手と壁になる満男選手ですが、このFKを決められて、3-0にされてしまいます。

　右サイドでボールを持つと、DF裏のスペースにカズ選手を走らせるパスを出す満男選手。

　ボールを持つアウグスト選手に寄せていって、股抜きされ、腕でブロックして止める満男選手。これはファールです。

　素直なサイドチェンジのパスを出す満男選手。俊輔選手の大きなサイドチェンジは、ボコンという大きな音がして、ボールを無理矢理に送り出している感じがするのですが、満男選手のサイドチェンジは、ボールの速さに比して、すごく静かです。

　右のライン沿い、高い位置まで上がった秋田選手にボールが渡ると、満男選手、秋田選手が戻したボールが受けられるような位置に移動します。ところが、秋田選手は、直接クロスを上げ、それを俊輔選手がボレーで押し込んでゴールになります。さっきのシュートといい、秋田選手の意外なプレーです。

　クリアボールに反応した満男選手、落ちてくるところを、相手選手の体の前に右足を出し、ボレーで高く浮かせて、DFの裏、カズ選手にパスを出します。これは、すごくうまいプレーでしたけど、DFがカズ選手を止めます。

　その後の、後半16分、昨日試合に出た3選手に代わって、満男選手、中西選手、宮本選手がピッチを去ります。

　それにしても、カズ選手が入ってから、満男選手がFWに出したパスのほとんどがカズ選手へです。満男選手、もしかして、カズ選手のファンだったんでしょうか。

　ベンチでの様子は、全然見えなかったのですが、その後、試合は30分続いて、柳沢選手も得点を決めましたが、2-4で WORLD DREAMS が勝利しました。

　試合が終わると、立ち上がって様子を見る満男選手。ベンチの他の選手がアンダーウェア姿だったりするのに、きちんと緑のユニフォームのままです。表彰式が始まるまでのあいだ、秋田選手とじゃれたり、他のチームの選手と話したりもする中、大あくびを連発します。引っ込んで30分以上経って、飽きちゃったのかしら。ベンチでは十分にストレッチができなかったのか、少しずつ足を伸ばしたりもしてるようです。

　表彰式では、座り込もうとしてみたり、逆に、前に1歩踏み出して、相手チームの方を見ようとしてみたり、ちょっと行儀の悪い感じもします。

　そして、記念撮影。みんなが三々五々、撮影場所に移動してくるのに、さっさとそこに行って座り込んだ満男選手。あとから来た選手たちが周りに並んだので、最前列のど真ん中になります。全員が揃うあいだ、目の前のトロフィーを傾けてみたり、持ち上げてみたり。相変わらず、好奇心が強いというか、落ち着きがないというか。最後に、MVPのユン選手が真ん中に入り、いざ写真を撮ろうとしたら、後ろの方にいたゲストプレーヤーのエムボマ選手も、目立つところにいなければならないらしく出てきます。ぎゅうぎゅう詰めになってしまって、満男選手、あれ?オレじゃま?っていう感じで、ひょいと立ち上がると、左端に移動してました。そこで、ひざ立ちになって写真に撮られる満男選手です。

　そして、全選手で、場内1周。満男選手は確かファビアーノ選手と話しながら歩いていたのですが、後ろから、ブラジル人たちの通訳の方に呼び止められます。WOLRD DREAMS のコーチだったセレーゾ監督の伝言を伝えている様子。振り返ると、大きな身振りで、セレーゾ監督も何か言ってます。何だか全然分からないけど、満男選手は、監督が言ってることを断ってる感じ。そして、前の方に行くと、中田選手を捕まえて、伝えてます。

　そんなこんなで、後れを取って、列の最後の方を歩く満男選手。今度は、アウグスト選手と話し始めます。これは、身振りで、すぐに何を言ってるかが分かりました。オレはそんなことしてないよって感じの身振りをアウグスト選手がするんですもの。満男選手、それを受けて、両手を挙げて、ああっと倒れるジェスチャーをしています。わざとらしく倒れたこと、責めてるんでしょう。どの程度の当たりかは、審判にも、観客にも、ビデオでも分からないけど、本人たちは分かっているはず。軽い接触だったんでしょうね。

　それから、中田選手と並んで話しながら、ピッチの周りを歩きます。宮本選手や、森岡選手とも、どこかで話してた気がするけど、しっかり憶えていません。ファビアーノ選手やアウグスト選手に、メイン側で追いついたとき、満男選手、投げるジェスチャーをしてたから、アウェイ側のインファイトの団体に、2人がユニフォームを投げ込んだ話をしていたのかな。

　リラックスした表情でピッチを回っていた満男選手なのだけど、グランドから去っていくときに焚かれるフラッシュには、表情がすっかり固くなっていました。