2000/7/15(Sat)

　開始直前から小雨。暑い夜には、体に気持ちのいい程度の量ですが、湿気は高く、ピッチコンディションが気になる天気になりました。

　開始早々から、選手の動きはゆっくりで、3日前の試合の影響もあるでしょうが、明らかにペースを押さえたすべりだし。15日間で5試合は、見てるだけでも疲れるペース。今日だけを見に来るお客さんには、ちょっと申し訳ないけど、毎回、飛ばしたプレーをしてくれなんて、とても要求する気になれません。

　満男選手は、前回のアビスパ戦とは違い、2列目にビスマルク選手と並び、そこからタイミングを見て前線に飛び出していく形。いつものつめの早い守備はあまり見られず、攻撃重視のようです。ペース配分も考えているのでしょう。

　アーリークロスに、ワンタッチで浮き球のパスをDFのあいだをしたり、ビスマルク選手から預けられたボールを左コーナ付近の相馬選手にスルーパスを通したりいいプレーが続きますが、決定的なチャンスになりません。

　アントラーズの選手全体、ピリッとせず、高桑選手がフィードしようとした ボールを相手DFの背中に当ててしまう、珍プレーも。幸い大事にはなりませんでしたが、去年の2ndのヴェルディ戦の決勝ゴールは、キーパーの本並選手がキックしようと落としたボールがたまたま後ろから走ってきた熊谷選手に当たって、それを奪ったものだったはずで、ヒヤッとします。動きがいいのは、熊谷選手と、久々の 先発の長谷川選手くらいかしら。

　タイミングを計って、素早い動きを見せる満男選手。DFラインからの秋田選手のロングボールに前線に走り出しますが、惜しくもオフサイド。

　ハーフライン左よりでビスマルク選手が前を向いてボールを持ったとき。中央のスペースに両手を広げてボールを 要求しながら走り込む満男選手。出てきたボールを瞬間、足のアウトサイドできれいにコントロールして、平瀬選手に壁パス。平瀬選手から戻ったボールをダイレクトでゴール前の長谷川選手に。GKにキャッチされてしまいましたが、お互いの意図があった、きれいな流れでした。

　前半、最も得点に近かったのも、短いパスをつないだ攻撃でした。ビスマルク選手から斜め前の長谷川選手へ。長谷川選手が、短い横パスで満男選手に、そして満男選手が平瀬選手にスルーパス。DFがかろうじて足を伸ばしコースを変えたため、きれいなシュートにはなりませんでしたが、テンポのある攻撃でした。

　それから、左の平瀬選手からのクロスに満男選手が飛び込み、ヘディングするシーンも。クロスがやや後ろに流れたこともあって、叩きつけられず得点にはなりませんでした。満男選手、ヘディングは苦手だものね。前半終了間際には、ビスマルク選手が後方でボールを持った瞬間に、長い距離を走り込む満男選手。オフサイドラインを気にしたために、タイミングがやや合いませんでしたが、前線に出ようという積極的な気持ちが光ります。

　攻撃面では目立つ満男選手ですが、なぜか前半にはいくつかミスもあって、最後の方、斜め後ろの名良橋選手に戻そうとしたボールを、相手選手にさらわ れたときは、必死に走りながらも、ちょっと頭を落とす仕草も見えて、やはり本調子ではないようです。

　前半が終了して引き上げるときには、体力的に相当きつかったのでしょうか、アップのために2個のボールを抱えながら話しかけてくる本山選手に、ほとんど言葉も返さず行き過ぎたように見えました。

　後半開始直後から、熊谷選手の積極的な上がりが見られ始めます。対して、満男選手は完全に守備的に。寄せの早い守備、ボールを持った 相手選手を追いかける姿が目立つようになります。ただ、スライディングを仕掛けてもボールを奪えなかったり、体の動きは万全ではないのかもしれません。

　地味な仕事に専心する満男選手のプレーの中でも、唯一目立ったプレーはサイドチェンジのロングパス。DFラインで秋田選手がヘディングで落としたボールを右サイドから、左のビスマルク選手に。糸を引くような見事な弾道を描いたパスは、ぴったりとビスマルク選手の足下に収まりました。

　この時もそうですが、お客さんの満男選手への期待が、1stステージに国立競技場でやっていて時とは、明らかに違っているのを感じました。彼が前を向いてボールを持っただけで、スタジアム全体が、何を見せてくれるんだろうと、わくわくする感じ。声を合わせたコールではないけど、はっきりと伝わるものがあります。

　水分補給をしているあいだに、セレーゾ監督から指示を受け、さらにペースを上げて守備に走っていた満男選手ですが、後半20分、交代を告げられてしまいます。わたしの目から見ると、ここまで動いているのだからと、不満を感じる交代だったのですが、満男選手は比較的淡々とした態度に見えました。まっすぐベンチに向かうと 、右足のアイシング。

　疲れの色濃く、ベンチに座り続ける満男選手。ジュビロ戦の時とは打って変わって、交代の本山選手にも話しかけようともしない様子だったのですが、本山選手がピッチに向かう直前には、座ったまま、彼の頭をポンと叩いてました。

　そして、その本山選手の2得点の大活躍で、アントラーズ勝利。前半押さえて、後半きちんと点を取って勝つ、勝負強さを見せました。

（バックスタンドより観戦）