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2000/9/29(Fri)

 今日は予定では午前中の練習でしたが、前の日に午後4時からの練習に変更になりました。夕方の鹿嶋は、座っているだけでは長袖を着ていても、寒いくらいの気候。スポーツ観戦に最適の季節なのに、リーグ戦がないのは、ちょっと残念。オリンピックとアジアカップのためだからしょうがないんだけど。

 バラバラとBグランドに向かって姿を現した選手とスタッフたち。ウインドブレーカーを上に着て秋の装いの満男選手は、隣の選手と仲良く話をしながら歩いてきます。話しているのは名良橋選手、松島選手、そして、曽ヶ端選手。オリンピック組のほかの選手は見あたりませんが、曽ヶ端選手は練習に参加するよう。オリンピックで帯同選手になってしまった悔しさを、次に向けようとしてるのかもしれません。

 グランドにみんなが勢ぞろいする少しのあいだ、選手たちは、それぞれ話などしてなごやかな雰囲気です。満男選手、中島選手と前後に並んで、2人そろって、急に、妙な手の動きをします。指先をピンと伸ばした、カクカクした腕の動きは、まさしく、シンクロナイズドスイミング。周囲も大受けです。ほかの選手も、いっせいにマネなど始め、満男選手、それを見て笑ったり、あの独特の頭の傾け方をマネして周囲を笑わせたり。最後には、中島選手が、目を見開いて、思いっきり作り笑顔の顔マネするもんだから、回りは大爆笑。内田選手なんて、体を二つに折るようにして、笑いが止まらないよう。

 全員がそろって、なにやらミーティングでもあるかと思ったところで、どっといっせいに笑い声があがります。ふと見ると、なぜかシャワーキャップをかぶったビスマルク選手が。どうして、そんなことしてるのか、全然わからないけど、ビスマルク選手、グランドにわざわざ自分でシャワーキャップを持ってきたみたいです。

 そして、名良橋選手に盾が渡され、拍手が起こります。リーグ戦の出場回数をお祝いする盾だと思うんだけど、名良橋選手200回くらいかしら。これからも、地道に出場回数を重ねていって欲しいものです。それから、何か話があって、もう一度拍手が。どうやら高桑選手が祝われてる雰囲気で、アジアカップの候補に選ばれたことの発表があったみたい。今日のオフィシャルの発表は午後5時くらいだと思うんだけど、もうすっかりオープンですね。高桑選手は、昨日まで代表の練習に参加してたんですよね。来週からの代表合宿でも力を見せて、アジアカップの正GKになってほしいものです。

 話が終わって、ストレッチ。今日は、U-19に選ばれた野沢・羽田・根本選手が遠征のため不在、曽ヶ端選手以外のオリンピック代表選手もまだ合流していないので、人数は少な目です。室内練習の選手はいないみたいだけど、ストレッチの途中で長谷川選手がグランドにフィジカルトレーナーの人と出てきて、どうやら故障しているよう。別メニューの練習でした。ストレッチ、満男選手は松島選手と組んで。いろいろ話をしてます。人の少ない見学席を、二人でじっと見てるときもあって、何を話してたのかな。

 ストレッチが終わると、各自で軽いアップ。ゲーム前にピッチでやるときのように、腕を振りながら歩いたり、小走りに走ってみたり。特に決められた形もなく動いています。よく見ると、各選手、心拍数を計る腕時計みたいな機械を腕に着けていて、これは多分持久走ですね。里内コーチ、アップしている選手のあいだをボードを持って歩き、それぞれの選手になにやら話してます。そのボードを見せられた満男選手、なんだか気になったのか、いったん足を止めてのぞき込もうとして、でも、それではアップができなくなるとあきらめたのでしょう、また、歩き始めました。でも結局、ほかの選手たちが取り囲むようにボードの回りに集まって、満男選手も我慢できなくなったのか、アップを中断して、のぞき込んでました。そんなに気になるなんて、何が書いてあったのかしら。

 アップが終わると、みんな水分補給。そして、次の練習まで、少し休憩。この、ちょっとのあいだでも満男選手はボールが触りたかったらしく、ちょうどGK練習も区切りになって、休んでいたイッカGKコーチに話しかけます。イッカさんのおなかを押してみたりして。自分のおなかの前でおなかが出てる人のジェスチャー。妊婦のジェスチャーじゃないよね(笑)。そして、ボールをポーンとイッカさんに投げて、イッカさん、慣れたもので、満男選手に投げ返してくれて、パス練習。加藤選手の方にもボールを蹴って、二人でパス交換。練習が始まるかどうか、ちょっと気にしながら、ボールを蹴り続けます。

 そして、4時半から始まった練習は、2分間ずつ、ゆっくり走る、早く走るを繰り返すもの。結局、12セット、48分間、走りっぱなしでした。ゲームを見てるときには、選手がひたすら走り続けてること、あまり意識しないけど、こうやって、45分間くらい、ひたすらランニングされると、サッカー選手の運動量の多さ、体のきつさを否応なく意識させられます。

 真っ先に走り出した相馬選手の少し後ろで、満男選手も、最初は好調な走りを見せます。始まって3分くらいでは、一瞬トップになってました。だんだん暗くなるグランドを、ピッチ2面分の周囲を、ひたすら走る選手たち。2分ごとにホイッスルが吹かれ、時に里内コーチの選手を励ます声が響きます。7セット目で、左回りから、右回りに変えて走ります。ターンしながら、満男選手、サポーターを引っ張って伸ばしたもんだから、パンツの裾からサポーターが、練習の最後までずっと見えてました。確か試合の時は、サポーターの色がパンツと同じような色だと思うんだけど、練習の時は白なのよね。紺のパンツの下に、白いサポーターがちらちらするのは、やっぱちょっと変わった着こなしかな(笑)。

 ちょうど、半分をすぎた頃、練習着に着替えた本山選手と平瀬選手がグランドに姿を見せました。オーストラリアから帰ってきてから、セレーゾ監督に会うのは初めてだったのか、本山選手セレーゾ監督にペコと軽く頭を下げて、通訳の人と4人で、長話。その後、コーチの人と話をしながら、腹筋をやってみたり、二人でパス交換したり、練習が終わる頃まですごしてました。

 ピッチの周辺では、ずっと選手たちは変わりなく走っています。すっかり暗くなって、5時過ぎにはライトが点灯します。10週目くらいから、満男選手、明らかにばてばてになって。もう、ゆっくり走るときは、ほとんど歩いているくらい。ホイッスルが吹かれて、速く走ることになっても、ほかの選手はダッシュしてるのがわかるのに、満男選手はわからないの(汗)。遠目では流して走ってるように見えちゃう。でも、近くを通るときには、顔つきがゆがんでて、いっぱいいっぱいなのがよくわかるんですけどね。隅に置かれたコーン、初めはきっちり外側を回ってたのに、この頃になると、思いっきり内側を回り始めて。ま、距離は関係ないトレーニングだから、最初から内側回ってた選手もいるんですけど。苦しげに給水したりもしてました。最後の1セットにはいる前、里内コーチ、満男選手に近づいて、心拍数を計る機械をのぞき込んでなにやら言って、「あと1回」と励ますように声をかけてました。

 最後のホイッスルが吹かれると、選手たちは、ゆっくり歩き始めて、クールダウンです。満男選手は、すぐにシューズを脱いで両手に持ち、ストッキングで歩き始めました。本山選手が、通りがかった満男選手に何か話しかけてたけど、満男選手、きっと、ろくに答えられなかったんじゃないかな。みんなが吸水しているクーラーボックスのところまでくるので、水を飲むのかなと思ったら、ペットボトルには手を着けず、シューズをポーンと放り投げて歩き続けます。途中からは中島選手と一緒に、ぶらぶらと歩いては引き返し、ゆっくりクールダウン。ほかの選手が芝の上に座って、ストレッチを始めても、ずっと、多分10分間くらいは歩き続けてました。平瀬選手が本山選手に蹴ったボールの前を通るときには、やっぱり、ちょっと蹴ってみたりもしながら。

 クールダウン後は、中島選手と二人、ピッチに座ってストレッチ。そして、5時40分頃、投げ捨てたシューズを拾って、パンパンとシューズの底を合わせて打ち鳴らしたりしながら、ロッカールームに引き上げていきました。

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