2000/10/4(Wed)

　1週間後にナビスコカップ準決勝第1戦を控えたアントラーズ。今日の練習は午前中のみ。時間ちょっと過ぎにクラブハウスに着いてみると、選手たちが、三々五々出てきているところでした。どうやら、朝、雨が降ったらしく、空気はたっぷりと湿気を含んで、最近にしては、少し暖かい感じです。

　満男選手は、長袖、短パンに、ストッキングを思いきり下げた格好。最初のストレッチは、幸聖選手と組んで。途中で、突然、ほかの選手と全然違う動きをします。ほかの選手が腰を落としてるのに、満男選手だけ立って前屈みたいにしてるから、とっても目立ちます。どうしたのかな。

　ストレッチが終わるとランニングを2周。満男選手は中島選手と熱心に何か話しています。2週目にも、中島選手と仲良く話しつづけていたのですが、なぜかその真ん中に名良橋選手が挟まっています。しゃべっているのは2人なので、ちょっと不思議な構図でした。

　今日は、高桑、柳沢、ビスマルク、ファビアーノ選手がJOMOカップのために留守。U-19に選ばれている羽田、野沢、根本選手もいません。昨日の練習で足を痛めたらしい平瀬選手は室内練習をこなしていたようで、後からの情報では、オリンピックブラジル戦で骨折した中田選手は今日からリハビリ開始したとのこと。そして、姿が見えなくて心配していた金古選手は2日の練習の時にしたケガのために、手術を受けていたとのことです。そして、加藤選手も姿が見えず、グランドで練習していたのは16人でした。ケガ上がりの長谷川選手はシュート練習までは一緒のメニューをこなしていましたが、少し早めにあがっていきました。

　昨日の午後の練習では、JOMOカップのコーチに選ばれているセレーゾ監督は留守だったそうですが、1回、鹿嶋に戻ってきたらしく、今朝は、いつも通り大きな声を出しています。この練習の後、また、東京に向かうのでしょうね。

　ランニングが終わるとすぐ、2組に分かれて鳥かご。満男選手の組では、古川選手と松島選手が、なかなか真ん中から出ることができなくて苦戦です。満男は、回ってきたボールをキープして、ボールを奪おうする松島選手を思いきり近寄らせておいて、ポンと隣に出したり、2人を左右から寄ってこさせて、その真ん中をボールを通したり。相手をからかうような、面白いプレー見せてます。今日の満男選手の組、若手選手が多いのに、なぜか妙に静かだったのですが、時間が経つにつれて、いつも通りのにぎやかさになってました。

　鳥かごが終わって、ちょっと水分補給。そして、CBとそれ以外の選手に分かれての練習。といってもCBは今日は秋田選手だけ。1人に対して3人のコーチがロングボールを出して、秋田選手が1人でヘディングでクリア。クリアするたびに、「うぉ〜!!」、「とりゃ〜!!」と大声が響きます。

　その声をBGMに、ほかの選手たちは攻撃練習。まずは、ハーフラインくらいの位置からサイドバックやボランチが上げたボールをトラップして前の方に落とし、シュートする練習。満男選手、熊谷選手からのボールを足に触らせることができなくて、「あ〜!!」と大声。その後は、何本かシュートを決めて、今日は調子がなかなかいいようです。

　サイドバックから出たボールを、2人の選手が前に走り込みながら、1人が落として、もう1人がシュートする練習では、なぜか途中で、満男選手、松島選手におとすべきところを、そのまま自分でシュートして決めてしまいまってました。松島選手、無駄走りになっちゃって、ちょっとかわいそう。

　それから、いい当たりの強いシュートを打ったものの、GK古川さんの目の前でキャッチされてしまったときには、片手を古川選手に向かって降るようにして、「もう、止めるなよ!」って言いそうなジェスチャー。悔しいんだろうけど、古川選手に怒ってもダメだよね（笑）。

　次はヘディングでのシュート練習。満男のヘディングは、やっぱり、あまり枠に飛ばないかな。でも、一度、バーに当たって跳ね返ってきたボールを、もう一度ヘディングで決めたのは見事でした。そのとき、決まったボールがゴールから跳ね返ってきて、満男選手、GKの曽ヶ端選手がはじいたと思ったのか、もう一度、シュートを決めようとボールに向かっていました。アントラーズのシュート練習では、こぼれ球にはもう一度向かっていくという決まり事になっているみたいなのですが、このときに限らず、満男選手は常に、あきらめることなくゴールに向かっていきます。

　そういえば、攻撃練習の途中、もう一つのグランドの向こう、クラブハウスのロッカールームの端あたりに、中田選手が姿を現して練習を見ていました。名良橋選手が見つけて、手を振っていましたが、遠いので中田選手は気づかなかったみたい。10分くらいかな、立ったままじっと練習を見つめていて、先に帰っていきましたが、早く自分も合流したいでしょうね。ちょっと、切なくなるような光景でした。

　ヘディング練習はかなり長く続いて、30分くらいはやってたかしら。1度、ボールが変なところに当たったのか、顔を押さえて痛がる様子を見せた満男選手、そのあとは、全く大丈夫な様子でした。でも、最後のほうでは、ヘディングをした直後に、オーバーに頭を押さえて痛がる様子を見せてました。あれだけ続けてヘディングしてたら、頭も首も痛いでしょうね。

　そして、シュート練習の最後が、ボレーシュートの練習。これは、短時間で終わったんですけど、終わりかけたときに、急に満男選手ストレッチを始めます。どうやら、右腿の後ろ側を気にしている様子。心配して、次々に声をかけてくれるスタッフや選手たちに、大丈夫といっているようですが、足を持ち上げてみたり、さすってみたり、ずいぶん長いこと気にしていました。最後には、松島選手に手伝ってもらってストレッチ。松島選手って、なんだか満男選手がなにかして欲しいと思ってるときに側にいて手伝ってくれたりパス交換の相手をしてたりすることが多いみたい。気がきく性格なのかな。それとも、満男選手とリズムが合ってるのかしら。

　ミニゲーム用に、ビブスが配られて、満男選手はビブスチーム。渡されたビブス、頭からかぶって、なぜか袖を通さずに、ビブスの下で腕をぶらぶらしながら、見学席の真ん前に置かれたゴールに近づきます。ボールを蹴ろうとして、さすがにバランスが悪かったのか、腕を出してましたけど、変わったことする人ですよね、満男選手って（笑）。

　そして、いつの間にか、ころんと背中を下にしてグランドに転がっていた満男選手。背中を丸めて、前後にゆりかごのように体を動かしてます。そこに、多分、さっき足を気にしていたことを心配してくれたのでしょう、熊谷選手が真顔で近づいて、なにやら訪ねようとする様子。と、満男選手、いきなり、ポコポコと両手で腹つづみをうちます。仰向けにおなかを叩く姿は、ラッコ?　不意をつかれたのか、熊谷選手、大笑いしながらピッチに倒れ込んでしまいます。う〜む、見ているだけでは何をしようとしたか、よくわからなかったけど、熊谷選手の様子だと、満男選手、よっぽど変なこと言ったに違いありません。

　その休憩時間中、セレーゾ監督は、ゴール前で曽ヶ端選手と本山選手を捕まえて、ブラジル語で何やら指示。通訳の方がその場にいないので、2人は監督の話が分かったのかしら。でも、監督がクロスを上げたら、本山選手、きれいにヘディングで決めてました。曽ヶ端選手が釣り出されて前に出ちゃって、本山選手「前に出た〜」と大喜び。なんて、している時に秋田選手、向こうのほうで「さあ、はじめようよ」と選手たちに声をかけます。ミニゲームの仕切りは、監督じゃなくて秋田選手?　そろそろミニゲームが始まろうかという頃、満男選手が、なにやら見学席のほうをじっと見つめてると思ったら、そこには相馬選手の1歳ちょっとになるお子さん奈々ちゃんとママが。本山選手も、その姿を見つけて、にこにこと手を振ります。その周りにいた選手たちも、いっせいに奈々ちゃんの方を向いて、手を振ります。満男選手も手を振って、名良橋選手は「ブター!　ブター!」と最高の愛情表現（?）で大声で呼びかけます。奈々ちゃん、コロコロしててかわいいんですよね。自分の仕事を思い出した監督が、通訳さんと一緒に、今日のミニゲームの説明を一生懸命始めてたんですけど、みんな、全く別の方向の奈々ちゃんのほうを見たままで、お構いなし（笑）。ミニゲーム開始したとたんに、多分、名良橋選手かな「あ、わかってきた」って声が上がってたけど、説明聞いてなきゃ、わからないよね（笑）。

　8対8のミニゲームのルールは、わたしにはよくわからなかったんだけど、満男選手はFW。見学席側のゴールに向かってくるので、とっても迫力があります。今日は、いろいろな選手の声がよく聞こえたんだけど、満男選手はボールを呼ぶときも、相手選手の名前はあまり呼ばないみたい。「はい!」と言ったり、声を出さずに、指でボールを出して欲しい場所を指さしたり。満男選手がボールを持ったときは、いろいろな選手から呼ばれてるんだけど、祥朗選手は「みっちゃん」って呼ぶのね。確か、フリークスの対談の時にもそう呼んでて、記憶に残ってたんだけど、初めて実際に耳にしました。

　人数合わせにビブスチームに入っていた石井コーチが、ゴール前にボールを持ち込んで、満男選手が、絶妙の位置に走りこみます。石井コーチ、パスミスして通らず、満男選手、思いっきり悔しそうに顔をしかめてました。石井コーチ、「すまん」って謝ってたけど、あれだけ顔をしかめられたら、反射的に謝っちゃいそうってくらい、すごい表情でした。

　それから、自分の位置をオフサイド取られたのかな。満男選手、いきなりピッチに倒れ込んで、悔しさをアピール。ゲーム再開して、しばらく、そのまま倒れてました。ヘディングの練習が長くて、みんな、ちょっと頭がくらくらして壊れかかってたのかも（笑）、今日のミニゲームはとってもたくさん声が出てて、笑い顔もあって、楽しそうでした。満男選手も、笑顔でシュート打ってました。
　ミニゲームは、30分くらいやってたんだけど、後半は、どうやらゴール前でヘディングでつないで、ヘディングでシュートするルールだったみたい。これは難しそうでしたね。満男選手は、途中で、ビブスの裾を胸のところまで持ち上げて、そのままプレー続けてました。自然に少しずつ下がってきてたけど、なんだか妙な格好でした。

　そして、11時ちょうどくらいに練習終了。水分補給しながら、しばらくベンチに座って休んでいた満男選手ですが、立ち上がると、ビブスを脱ぎ捨てながら、ベンチに足をかけてストレッチ、そして、まっすぐに上がっていきました。それから、1時間10分くらいあと、いつもより、ちょっと遅めの時間に帰っていったので、多分、右の腿のマッサージを受けるか、何か手当をしてもらってたんじゃないかしら。練習は、全部こなしていたので、たいしたことではないと思うんですけどね。腿に張りがあるとか、違和感があるとか、そんな感じなのかな。今日も、ファンの呼びかけを全く無視して帰っていった満男選手でしたけど、明日も、きっと元気に練習してくれると思います。