2000/12/17(Sun)

　ひたちなかでサガン鳥栖を敗って、今回は鳥栖で試合。なんだか、妙な気がします。福岡から鳥栖まで、各駅停車でも40分くらい。福岡は空港から駅も近いし、鳥栖スタジアムは駅の目の前。鳥栖って聞き慣れない地名だから、気分的に遠く感じるけど、東京駅からだと、カシマスタジアムに行くより、時間的には近いんじゃないかな（笑）。

　開場時間を少し過ぎて、スタジアムに着いたときには、まだどんよりとした雲がかかってただけだったんだけど、徐々に小雨が降り始めて、キックオフ1時間ちょっと前くらいに選手たちが投げ込みに姿を見せた頃には、雨模様となっていました。投げ込みは、時間も普段より遅かったのですが、出てきた選手の数も、とっても少なくて、5人くらい。わたしは見逃してしまったんだけど、練習着に着替えて出てきた満男選手はどうやら、メインスタンドの真下で記者さんにグッズを預け、記者の人からファンにグッズを渡してもらっていたらしいです。

　メインスタンド下の室内アップ場で、真っ先にボールを蹴り始める満男選手。リフティングしてみたり、コーチを相手にボールを蹴り合ってみたり、少し人数が揃うと、さっそく鳥かご。それから、ヘディングで壁にボールをぶつけて、またそれをヘッドで受けてと、ヘディングの壁うちみたいにしばらく続けてみたりもしてました。全体のアップも室内アップ場で行われました。ボール回しは本山選手と組んで行っていましたが、ガラス越し、それに柱もあったりで、調子を見分けることはできませんでした。アップの最中に、ロッカールームの方に消えていって、しばらくして、また帰ってきたほかは、特に変わりはなかったと思うのですが。

　入場のために、メインスタンド下の通路に出てきた満男選手は、なんだか険しい顔をしています。ロッカールームからの出口付近で、ブラジル人のコーチが選手を抱擁して送り出すのですが、その挨拶もそこそこという感じで歩き始めて、途中、立ち止まりストレッチを始めます。後から出てきた選手たちは、その脇をすり抜けるように通っていきます。ピッチ上に出てからも、満男選手は、ずっと硬い表情のままです。

　アントラーズではただ一人、手袋をはめている満男選手は、キックオフ直後から、ものすごく体が重く見えます。運動量も少なくて、体にきれがないのか、それとも、体力を最後まで保たせるために、少し押さえ気味だったのかもしれません。何人かの選手が風邪という情報を聞いていたので、風邪をひいてしまっているに違いないと思いました。

　TVのレポーターは、試合前日、ビスマルク選手が風邪のために練習を休み、満男選手と柳沢選手が風邪気味と伝えていましたが、体調を崩していた選手は、それだけではないはず。4日前のサガン戦では、熊谷選手が風邪のためスタメンを外れてましたし、隆行選手も途中出場だったので、多分、風邪ではないかしら。

　1分もたたないうちに、満男選手が前線に出そうとしたボールが、主審に当たってしまいます。

　4分、ボールを保つと、体を反転させ、ペナルティエリアにドリブルで持ち込もうとする満男選手、キム

　トグン選手に後ろから突き倒されます。倒れて右足を押さえた満男選手、キム選手は満男選手と握手しようと、その押さえている右腕を無理につかみますが、迷惑な様子の満男選手です。

　この時間帯までは、高いポジショニングを取っていた満男選手、このあと、くらいから左サイドでプレーするようになります。

　満男選手、ボールを受けると、ワンタッチでDFラインの裏を狙ったボールを出しますが、ミスパスになってしまいます。

　18分、DFの裏のスペース、柳沢選手に出したボールは、オフサイドになります。

　19分、フリーの梅山選手が右サイドでボールを持ち、ライン際を上がろうとするところ、満男選手は、うまく体を前に入れ、ボールを奪います。

　雨でピッチが濡れているせいもあるのでしょう、両チームともパスミスが連続します。それに、満男選手の運動量が抜けた、アントラーズ中盤は、なんだかスカスカして、穴が開いている感じ。こうやって、調子が悪い時を見ると、普段、どれだけ満男選手が走り回って、中盤を埋めているか、改めて感じさせられます。

　25分、右腿の肉離れの名良橋選手に替わって、本田選手が入ります。右サイドには、熊谷選手が入ります。このあとあたりから、満男選手が、右サイドに位置を取るようになります。

　28分、ビスマルク選手が倒されて得たFK、満男選手がすかさず、早いリスタート。DFの裏の柳沢選手にボールが渡りますが、倒されてしまい、立ち直って放ったシュートはバーの上を越してしまいました。

　30分、右サイドでボールを追って体を反転させようとした満男選手、足を滑らせて転びそうになってしまいます。立ち止まって、ライン際で、おもむろに右のストッキングを下げます。今日、最初に出てきたときから、ストッキングに妙によじれたしわが寄っていて、なんだか気になってたんですが、ストッキングの下に、プロテクターを固定するためか、包帯を巻いてたんですね。満男選手は、それが気になったらしく、むしり取ります。そして、左スネの包帯も。ケガしたのは右スネだけだと思ってたのですが、左にもケガがあるのでしょうか、少し心配です。

　このあと、少ししてから、ベンチの方向（?）を向いて、大きく手を横に動かして、違うといったそぶり。何を伝えようとしてたのかしら。

　31分、左ライン際でボールを保つ石塚選手に、スライディングでボールを取ろうとした満男選手、ボールと足を一緒に蹴ってしまいます。石塚選手、目の前で倒れた満男選手の後ろ頭を、拳で殴ってイエローカード。満男選手は、痛そうな表情で、頭を押さえたまま、しばらくその場に倒れていました。

　36分、左サイドから、右足でミドルシュートを放ちますが、枠のはるか左側を通り過ぎてしまいます。

　37分、左サイドの相馬選手からのクロスに、ファーサイドに走り込んだ満男選手。クロスが、直接、本並選手に渡ってしまい、悔しかったのか走った勢いで、ポストを殴り、ポコンという音を立てさせます。

　この頃から、今度は、主に左サイドにいることが多くなったでしょうか。

　39分、隆行選手が相手と競ってヘディングで落としたボールを、満男選手、ワンタッチで柳沢選手に繋ぎます。柳沢選手のシュートは、本並選手に押さえられてしまいました。

　39分、フリーでボールを持った満男選手、ドリブルで進み、ハーフライン付近からロングボールを前に蹴り出します。多分、銅像シュートを狙っていたのだと思うのですが、GKのはるか手前に落ちてしまいます。

　プレーを続けることで、少しずつ調子が上がってきたのでしょうか、前半終了間際には、満男選手、かなり体が軽くなってきました。左サイド、フリーで手を上げボールを要求しますが、満男選手にボールが出てきません。

　前半は0-0でいいと言うかのように、ゆっくりとした球回しになったアントラーズ、ロスタイム1分を無難にすごして折り返しました。

　後半ピッチに出てきた満男選手のストッキングには皺もなく、包帯はつけていないのではないかと思います。

　後半に入って、高い位置にポジショニングを取る満男選手、4分にペナルティエリアの少し外側右寄りで、ビスマルク選手からの短いパスを後ろ向きで受けると、体を反転、DFがビスマルク選手につられて、目の前が開いたところを、ドリブルで中央に進み、すかさず左足でシュート。見事にコントロールされたボールは、ゴール左のサイドネットに突き刺さり、先制です。

　柳沢、本田選手が、満男選手のところに来て、隆行選手は、額にこつんと自分の頭をぶつけて祝福。そして、秋田選手は、満男選手を抱え上げて祝福します。控え目ながら、満男選手も笑顔です。

　満男選手、これで気分をよくしたのか、また少し体の動きがよくなった感じがありました。そして、ポジショニングは低め、ビスマルク選手と並ぶ位置に取るようになります。

　7分、ヴェルディは廣長選手に替わって、飯尾選手を投入。

　9分、センターサークル内でボールを受けた満男選手は、林選手をかわすと、一直線にゴールに向かって進みます。追いかけていく林選手、ペナルティエリアの手前で、たまらず後ろから足をかけて倒し、イエローカードが出ます。ゴール正面のFKなので、満男選手が蹴ることも少し期待したのですが、特に蹴らせてと主張することもなく、壁の位置に入っていきます。ビスマルク選手の蹴ったFKは、バーの上を越えてしまいました。

　いつものように、相手FKのポイントを前にされないように、常に指さして審判にアピールする満男選手。何やらファビアーノ選手が興奮して相手選手に食ってかかろうとしたときも、その前に割って入り、FKの位置を確認。冷静です。

　左サイド、ドリブルで上がる相手選手に、ぴったりと体を寄せてブロックする満男選手。相手も、ファールで満男選手を倒すしかなくなってしまいます。

　15分、満男選手がDFの裏に出したボールは、柳沢選手と意図が合わず、ゴールラインを割ってしまいます。

　18分、キム選手に替わって、菊池選手が入ります。相手DFがボールを持ったところに、相手を倒すほど激しくチェックに行く柳沢選手。満男選手は、そのプレーに拍手を送ります。

　少しからだがきつくなってきたのか、守備に走り出すときに、いったん下を向く癖が出てしまう満男選手です。

　22分、中田選手が上がりながらペナルティエリア前の満男選手に出したボールを、ワンタッチで右の隆行選手に。隆行選手がヘッドで落として、ゴール前の柳沢選手、右足の腿でトラップ、そのままシュート。2-0となります。

　左サイドで、相馬選手と2人で、山田選手を挟み、するりとボールを奪う満男選手です。

　満男選手のドリブルを止めようと、体を寄せてきた飯尾選手、結局、満男選手が飯尾選手を倒したという判定で、相手FKに。熱くなって抗議するビスマルク選手を、ちょっと止めに入る満男選手。相手の早いリスタートに合わせて、すかさず走り始めます。

　29分、満男選手がボールを外に出してゲームを切り、隆行選手に替わって、本山選手が入ります。

　満男選手、ときどき、人のパスミスに、思わず天を仰ぐ、少し困った癖があるんですけど（汗）、この試合では2回ほど、その癖が出てました。

　ビスマルク選手の右CK、満男選手はするすると近づき、ショートコーナーになります。満男選手の上げたクロスは、クリアされてしまいましたが、こぼれ球を本田選手がミドルシュート。バーの上を越えます。

　ファビアーノ選手がボールを持ったとき、満男選手「ファビ、パス、パス」と大声で呼びます。パスを繋いで、ゆっくりと攻めようという意味でしょうか。ボールを持った相手DFを追って、ゴールラインまで走っていく本山選手には「モト、戻れ!

　戻れ!」。守備の形を崩さないように、太い声でコーチングする満男選手です。そのときのチームのやるべきことを把握して、慣れない本山選手を助ける、頼もしい声です。

　42分、ビスマルク選手に替わって、平瀬選手が入ります。

　バックラインから柳沢選手に入ったボールのこぼれ球を、ライン際に全速力で走り込んで拾おうとする満男選手。桜井選手に後ろから足をかけられて倒され、桜井選手にイエローカードが出ます。

　ロスタイムは2分、急ぐ必要のない場面で、トップの3人が攻撃しているのを、少し下がった位置で見ていた満男選手ですが、右サイドにこぼれたボールを拾いに行き、相手DF2人に囲まれ、コーナーに追いつめられます。そこでしっかりボールをキープする満男選手。結局、相手DFは満男選手を倒すしかなくなり、FKになります。

　満男選手の蹴ったFKは、速いボールでしたが、残念ながら見方の選手には合いませんでした。

　そして、2-0で試合終了。中澤選手に声をかけられたりしながら、中央に整列する満男選手。礼が終わってから、菊池選手のところに挨拶に行きます。岩手県遠野高校出身の菊池選手、顔見知りなんですね。そして、そのあと、おもむろに手鼻をかむ満男選手（汗）。広報の方に声をかけられて、ヒーローインタビューに向かいます。

　なんだか、早口のヒーローインタビュー。たくさんの人にスタジアムに試合を見に来て欲しいと、強調していました。

　インタビューが終わってから、今日はバックスタンド上段に陣取っていた、遠征隊の方に、トコトコと少し走り寄り、両手を上げてひらひらと振ります。戻りながら、ゴール裏にも手を上げ、そして、メインスタンドにも、しっかりと両手を上げて、三方にきっちり挨拶して去っていきました。

　すごく体調の悪く見えた満男選手、ただ、悪いなりに考えながら、落ち着いてプレーをしていることがよく分かりました。大きくポジションを変えず、自分の役割をしっかりと果たす様子は、とても頼もしかったです。

　11月に入ってから、立て続けに緊張を強いられる試合が続き、優勝パレードなどもあって、今日の試合、選手全員が疲れのピークにあったと思います。今度は中5日の休み。しっかりコンディションを整えて、今年7回目のF・マリノス戦を戦って欲しいと思います。

（バックスタンドより観戦）