2001/2/21(Wed)

午前

　 今日は、午前9時からと午後3時半からの2回の練習予定。J-ヴィレッジの代表合宿に6人、香港のU-20の試合に2人が参加しているので、こじんまりした練習です。見学者も少なくて、練習開始時には6人だけ。終わり頃になっても20人くらい。曇り空でしたが、一時期に比べると、随分、暖かくなってきましたね。練習終わり頃には、少し日も差して、見学席に座っていても凍えることもありませんでした。　

　 満男選手は、今日、病院で検査、その結果で練習に合流するかどうかを決めると、前日の茨城新聞に載っていて、やはり、午前の練習の最後まで、グランドには姿を現しませんでした。　

　 練習開始前に、通訳の鈴木さんが里内さんに何か訪ねたようで、里内さん、「病院に、……の検査行ってる」と答えてました。ちゃんと聞き取れなかったのですが、満男選手のことでしょうか。鈴木さん、そのあと、セレーゾ監督としゃべっていたので、もしかしたら、そのことを伝えたのかもしれません。　

　 朝の練習に参加してるフィールドプレーヤーは14人。別メニューで、GKの加藤選手が練習しています。　

　 まず、ポールをジグザグに走って、その後、いろいろな種類のドリブルでポールを抜けていくアップを30分。「朝からきついな」と本田選手から声が飛びます。　

　 9時20分くらいになって、根本選手がグランドに姿を現しました。U-20の合宿で足を打撲したという根本選手、まずはウォーキングとランニングの繰り返し。その後、リカルドさんを相手に、30分ほど、主にコーンを使ったフィジカルトレーニングを行っていました。　

　 アップが終わったフィールドプレーヤーたちは、適当に7人ずつに分かれます。一組は、関塚さん、里内さんの指導の元、2人組になってパス回し。ロングパスを、足で高くコントロールしてトラップしたり、ヘッドでコントロールしたり。これも、いろいろな形を行います。　

　 もう一組は、2日前に来日したばかりのセレーゾ監督の指導の元、シュート練習。転がされたボールを、ゴール正面に向かいながら、ゴールから遠い方の足でシュートするフェイントを入れて切り返し、逆の足でシュートする練習。これは、難しそうで、なかなか枠に飛んでいないようでした。　

　 15分して、二組が入れ替わり、同じ練習をします。　

　 この練習の途中に、柳沢選手登場。この時間まで、室内で練習していたのでしょうか。柳沢選手は、フィジカルトレーニングに入ろうとしている根本選手と言葉を交わすと、ランニングを開始。30分ほどのランニングの後、30分ほど、コーンを使ったフィジカルトレーニングを行っていました。　

　 10時くらいになって、14人はシュート練習に。転がされたボールを、ワンタッチでシュートするのを10分くらい、ヘディングシュートの練習を10分ぐらい行ってました。　

　 10時過ぎくらいに、ロッカールームの前で私服の平瀬選手を見かけたのですが、室内のトレーニングの後、そのまま上がっていったのでしょうか、グランドには姿を現しませんでした。　

　 10時25分くらいから、ハーフコートのミニゲーム。組分けは、ビブス組が、ファビアーノ、金古、セレーゾ監督、池内、松島、長谷川、幸聖、山口、GKコーチ。ビブスなし組が、関塚コーチ、秋田、野沢、ビスマルク、康剛、本田、名良橋、祥朗、加藤です。キャンプの時は、ものすごく騒がしくゲームをしていたと思うのですが、今日は、監督がいるせいか、静か。そのかわり監督が、絶好調。ゴール前、加藤選手との1対1で、ボールを止めようと大きく伸ばした加藤選手の手に、わざとぶつかって、大げさに「ギャーと言いながら転ぶふりをしてPKを取ろうとしたり、フリーのシュートチャンスをミスした幸聖選手を大げさに怒ってみたり。そうそう、このミニゲーム、最初に監督から「3タッチ、押し上げ、マークをしっかり」と指示があって始まったのですが、鈴木さんが、それに続いて訳した監督の言葉は、「メシかかってるからな!」。何があっても、賭けにしてしまう、アントラーズの選手たち、監督もだったのね。　

　 ミニゲームは25分間くらいで終了。ピッチの上で、それぞれにストレッチする選手たちの中、康剛選手、池内選手、山口選手の3人だけが監督に呼ばていました。ボールが8個くらい入った、メッシュの袋を、椅子代わりに座った監督、3人に5分間くらい話をしていました。　

　 満男選手がいないので、全体を見渡せて、以外と楽しい練習見学になりました。

午後

　 午後の練習は3時半から。満男選手は、その1時間くらい前には、クラブハウスにいたようです。検査の結果を報告しに来ていたのかもしれません。この日は、午前中に胃カメラの検査をして、練習に合流の許可が出たそう。午前中に引き続いて、曇り空。風が吹くと、かなり肌寒い感じです。　

　 時間になって、スタッフさんたちと、選手たちが、ぞろぞろと出てきます。最後の方になって、満男選手が、スパイクを持って出てきます。グランドに出ると、里内さんや、コーチの人たちがいるところに行って、何やら相談。またロッカールームの方に戻っていきました。　

　 全体練習は、まず持久走。選手たちが、おのおのストレッチをした後に始めます。「20分」と里内さんから声がかかって開始。　

　 そのランニングが終わる頃に、室内の練習を終えたらしい満男選手が登場。グランドへの出口のところに置いてあった、台車の上のクーラーボックスに座ります。水分補給に来る選手たち。なぜか、なかなか立ち上がらない満男選手。ファビアーノ選手がクーラーボックスの蓋に手を伸ばして、ようやく、満男選手、腰を浮かせました。　

　 出口近くの柵のところに行って、ストレッチをする満男選手。合宿の時に、ずっとボールを蹴るのをつき合ってくれていたフロントの方もいて、話をしたりしています。秋田選手の隣に行ってみたり。満男選手、秋田選手の近くが好きみたいで、結構、並んでるんですよね。　

　 全体練習は、チューブを使って、2人一組の引っ張り合いです。　

　 グランドの端に残された満男選手は、一人、ストレッチを続けます。しっかりストレッチができたのか、今度は、おもむろにグランドの端の道具入れのロッカーに近づきます。中をのぞき込んでみるけど、どうやら、探しているものはないみたい。しばらく、グランドのほうを見つめていた満男選手、捜し物がないのか、持ってきてくれそうな人が見あたらないのか、あきらめたように自分で建物のほうに向かいます。奥の倉庫から持ち出してきたのは、やっぱりボール。そこに、通訳の鈴木さんが近づいて、何やら話し込みます。午前中も、満男選手がいないことを気にしていた鈴木さん、何か、話があったのかしら。かなり長いこと話し込んでいて、これは、単にセレーゾ監督の伝言を伝えるとか、そういうことではなさそうです。　

　 鈴木さんと一緒に、いったん、また建物のほうに戻って話し込んでいた満男選手、話が終わると、なぜだか、さっき持っていたボールを、別の黄色っぽい色のボールに変えて持ってきました。空気の入り具合でも気に入らなかったのかな。　

　 ちょうど、GK練習が休憩中で、満男選手は、ポーンとボールを加藤選手のほうに蹴ります。加藤選手が蹴り返してくれて、一緒にいた、イッカコーチたちと、4人でボール回し。ポーンポーンと、軽く蹴るような感じ。いつも通り、いい笑顔を見せてくれる満男選手です。　

　 ちょっと、このあたり記憶があいまいですが、GK練習が再開される頃に、多分、室内で練習をしてたと思われる根本選手が出てきました。根本選手とボールを蹴り始める満男選手。さっきより、ちょっとテクニカルに色々な蹴り方をして見せます。2回ほどリフティングして、後ろ足のかかと（?）で蹴って、きれいに根本選手にボールを帰すなんて技も見せてくれました。　

　 それから、ミニゴールにボールを蹴り込む二人。この時、満男選手がいきなり、「左足、インサイド!」。そして、続けて「3万円!」。賭けが蔓延している、アントラーズ。満男選手もだったんですね。これ、何をやってるかよく分からなかったの。確か、高いパスを満男選手が蹴って、それを根本選手が決めようとしてたと思うんだけど。何本か繰り返すけど、結局うまくいかなかったらしく、満男選手、ダメだなっていうような表情で笑ってました。　

　 根本選手と、そのすぐ後に出てきた柳沢選手は、休憩をしながら、リカルドコーチが組み立ててくれるサーキットトレーニングのコースができるのを待っていて、そのあいだじゅう、根本選手とボールを蹴り合う満男選手。室内でリハビリをしているらしい平瀬選手、ちょこっとグランドのほうに顔を出して、柳沢選手と言葉を交わして帰っていきました。表情はそれほど暗くは見えませんでしたけど、練習できないの、辛いでしょうね。　

　 2人のサーキットトレーニングが始まると、満男選手は、ゆっくりと、グランドの真ん中に向かって歩き始めます。Aグランドの向こう側、チューブを使ったトレーニングを指導している里内さん達の向こうを通り過ぎると、右手の植え込みのほうまでゆっくりと歩いていく満男選手。AグランドとBグランドのあいだをランニングし始めます。同じところを往復しながら、ゆっくりとランニングし続ける満男選手。ランニングを始めるの、左側から始めるほうが近いから、なぜ遠い端のほうまで行ったのかしら。相変わらず、謎な満男選手です。　

　 ランニングは20分間ぐらいしてたのかしら。ゆっくりと引き上げてくると、サーキットトレーニングをしているほうに戻ってきます。ポールを使ったトレーニングが終わって、コーンを越えては、ボールを蹴り返すようなトレーニングをしている根本選手と柳沢選手。満男選手は、柵のところに腰かけると、トレーニングシューズを脱いで、足先に引っかけ、右足を思いっきり動かして、靴をぶらぶらさせながら、「明智く〜ん」と叫びます。グランドの真ん中にいたホペイロの明智さん、満男選手が言いたいことが分かったらしく、ジェスチャーで答えたみたい。満男選手、地べたに座って、スパイクに履きかえ始めたところを見ると、さっき持ってきたスパイクが、どこに置いてあるかを聞いたのかもしれません。　

　 スパイクに履きかえた満男選手は、特に何の指示も受けずに、一人、さっきまで二人の選手が使っていたポールをジグザグに抜け始めます。最初は普通に前に走って抜けて、その後、横向きだったり、後ろ向きだったり、バリエーションを変えながら何回か繰り返していました。トレーニングの内容、多分、体調に合わせて、自分で考えているんでしょうね。一人でやる中でも、色々と工夫していて、意識の高さを感じました。　

　 このトレーニングも20分ほどしてたのかな。全体の練習が終わって、選手たちが、芝の上でストレッチをしたり、マッサージを受け始めた頃、満男選手は石井コーチの腕時計を見せてもらって、上がっていきました。この時、ぴったり5時でした。