2001/3/21(Wed)

　 ポカポカと暖かくなって、もう春ですね。鹿嶋は、今日はいい天気でした。といっても、やっぱり風が強くて、練習が終わる頃には、かなり冷え込みましたけど。　

　 週末に試合がないため、のんびりペースで、1日1回の練習が続く、今週のスケジュール。今日は、午後3時からの練習です。3時少し過ぎて、コーチたちが登場。一番に姿を現した秋田選手に続いて、満男選手が出てきます。ウインドブレーカーに短パンを膝丈まで下げ、ソックスを膝のすぐ下まで引き上げる、いつものスタイルです。　

　 満男選手、ボールを入れてあるネットを蹴っ飛ばします。何回か蹴飛ばして、強引にボールを出すと、ポーンと池内選手の胸に蹴ります。次々に出てくる選手たちが輪になって、さっそく鳥かご。メンバーは、満男選手、本田選手、池内選手、松島選手、小林選手、金古選手、根本選手。あ、それから関塚コーチも。満男選手、さっそくパスをカットされて中に入ります。　

　 今日の満男選手の鳥かごは不調。うまくパスをカットして外に出ても、またすぐに、パスをカットされて、中に戻ってしまいます。幸聖選手が出すパスを、足元で押さえた満男選手、お前が中に入る番という感じで、幸聖選手を押しながら外に出てきます。でも、どうやら、満男選手の取り方はルール違反だったみたいで、幸聖選手は譲りません。満男選手は外側の輪に入ったままだし、幸聖選手は中に入らないし、しばらく、真ん中が空のままパス回しが続いて、満男選手、観念したのか、また真ん中に入ります。軽くパスをカットしようとして、転んじゃったりもあって、どうも、うまくいかないよう。でも、表情は、とっても楽しそうです。　

　 不調な満男選手より、さらに調子が悪かったのは池内選手。いったん中に入ったきり、出てこられなくなっていまいます。だんだんに輪の人数が増えて、中が一人では厳しいこともあったのでしょうが、全然、パスカットができなくて、みんなから、からかわれ始めます。ついに、池内選手、もうイヤというように、輪から外れてしまいますが、もちろんそれでは許されません。また、呼び戻されると、あちこち足を出して、ボールを取ろうとしますが、成功しません。すねた様子で外に出て、また、呼ばれます。池内選手をからかう声が、一番声が大きかったのは、関塚コーチ。楽しそうな声で「イケ〜!!」と叫びます。　

　 こういうときに、きっちりいじめ役をやってしまう満男選手。さんざん、ボールを回された池内選手が、なんとかパスカットしようと向かってくるところを、狙いすまして股抜き。池内選手、またまた、みんなにはやされてしまいます。　

　 最後にグランドに出てきた、セレーゾ監督も、面白そうに様子を見ています。そのうち、監督も、秋田選手も輪に加わって、大きな輪のあちこちに走り回る池内選手。確か、最後の最後に、ようやく出られて、鳥かごは終了になりました。　

　 さて、これからが、本当の練習です。みんながそろって、ランニング開始。里内コーチのかけ声の元に走り始めたのは、フィールドプレーヤー13人。秋田、本田、池内、隆行、松島、小林、金古、根本、長谷川、幸聖、平瀬、名良橋選手に、満男選手。GKは、高桑、加藤選手に多分ユースの選手と思われる、見慣れない選手を入れて3人。3人がA代表に、3人がU-20の合宿に行っているのですが、それにしても少ない人数。別メニューの選手がずいぶんいるようです。　

　 ランニングは、始めは普通に、途中で、横向きになったり、いろんな動作をしながら2週ほど。隆行選手が「これって恥ずかしいことなの?」なんて言いながら走っています。ちょうど、横向きに走るときに、観客席に一番前で顔を向けることになった満男選手も、とてもいい笑顔です。　

　 ランニングが終わると、AグランドとBグランドの中間のところで、コーンと輪っかを使ったアップ。黄色い輪っかは、どうみてもフラフープにしか見えないなと思ってたら、平瀬選手、さっそく腰のところにかけて、回してみせます。　

　 コーンをジグザグに走り抜けて、最後に投げられたボールを蹴ったり、ヘディングしたり。細かいステップで、コーンや地面に置かれた輪の場所を踏んで走ったり。満男選手、きれいなステップを見せてくれたなと思うと、コーンを倒してしまったりで、やはり、今ひとつ、本調子ではなさそう。途中で、さっそく給水。少しだけ補給します。　

　 このトレーニングのあいだ、やたらとあくびの多い満男選手。大きな口を開けてます。今日の昼寝からの、目覚めが悪かったのか、昨日の夜、夜更かしだったのでしょうか。お腹の痛みで、眠れなかったなんてことじゃないといいのだけど。　

　 サーキットトレーニングが始まった頃でしょうか、ビスマルク、ファビアーノ選手が登場します。ストップウォッチを腕に巻いて、2人そろってランニングです。遅いペースと速いペースを繰り返しているようで、Cグラの方まで使って、大きくグランドを周回します。　

　 そして、さらに遅れて、内田選手が私服で登場。グランドを小走りに来ると、通訳を交えて監督と話をします。何かの報告なのでしょうか、監督は笑顔です。内田選手、このあと、すぐに着替えて出てきて、ミニゲームに合流しました。　

　 同じ頃に、山口選手も登場。ランニングします。山口選手は、それが終わると、コーンを使ったサーキットトレーニングを行っていました。　

　 全体練習のサーキットトレーニングは、30分ほどで終了。監督自らビブスを配って、2/3コートのミニゲームです。コーチが一人入って、7対7。満男選手はビブスチームで、確か、他に池内、小林、本田、名良橋、松島、金古選手がチームメートだったかな。あいまいでごめんなさい。　

　 ゴールを置かずに、少ないタッチ数でボールを回します。10回パスを繋ぐのが目標らしく、ポルトガル語で数が数えられます。満男選手は、スペースに出て、大きく手を上げたり、中央でスルーパスを通したり。動き自体は、少し少な目かもしれないけど、いつもと、変わらない感じです。　

　 少しの休憩を挟んで、ミニゲームが30分。終わった瞬間に、満男選手、またまたピッチに倒れこんでしまったようです。仰向けに倒れたきり、ずいぶん長い間立ち上がれず、ようやく、上体を起こしても、立ち上がる気配がありません。ものすごく渋い顔をして、ジーッとしている満男選手。うつろな目で、辺りを見てます。気持ちが悪いのかしらと思わせる表情です。　

　 4時少し前にグランドに登場した熊谷選手が、ミニコーンを使ったサーキットトレーニングをしている姿を、横目で見る満男選手。普段なら、別メニューの選手を見つけると、ポーンとボールを蹴るのだけど、ボールを蹴るどころか立ち上がる気力もないらしく、また視線を前に戻して、ボーっとしています。　

　 全員の休憩が終わる頃になって、ようやく立ち上がってクーラーボックスに向かう満男選手、水分を補給すると、近くのボールの上に座って、再び、じっと動かなくなります。十二指腸潰瘍が見つかってから、もう1ヶ月半。満男選手のこの様子に、他の選手も慣れてしまっているのでしょう、特に大げさに声をかけるでもなく、休憩時間は終わります。　

　 今度はゴールを置いたハーフコートのミニゲーム。組分けは、さっきのミニゲームと同じだと思います。ものすごく惜しいミドルシュートを、ゴール左に外した満男選手。次のシュートは決まって、ビブス組の1点目です。主に、最終ラインにいることの多い満男選手ですが、折を見て、前線に上がります。守備では、平瀬選手にしつこいマークをして見せたり、さっきの渋い顔が、信じられないような活躍です。　

　 満男選手のチームのGKは、見慣れない選手で、金古選手に指示を出されたり、少し、戸惑いながらやっています。ボールをキャッチした後、出すのは、ほとんど満男選手のところ。満男選手に渡しておけば、間違いないという感じで、ボールを渡します。満男選手も、GKが出しやすいところに、意識してポジション取りしていたのかもしれません。　

　 このミニゲームは、20分間ほど。確か、ビブスチームは3点ほど決めました。そして、ゲームが終わると、またまた水分補給。満男選手、水を口に含むと、ペットボトルを、芝の上にポイと捨てます。いつも、きちんとクーラーボックスに戻す満男選手なので、とっても珍しい光景。体がきつくて、余裕がないのかもしれません。　

　 少し休憩すると、さっきよりも元気になったのか、満男選手、立ち上がってセンターサークルの中にボールを置きます。そこから、ゴールライン近くにいた関塚コーチに鋭いパス。そして、そのあとは、ゴールに向かって、低くて鋭いボールを放ち始めます。元気であれば、必ずやっている、ロングボールを蹴る練習。コンディションはあまりよくなさそうですが、この練習をするということは右足は大丈夫そうです。　

　 ただし、今日は、なかなかゴールの枠をとらえることができません。どうやら、いつもと蹴り方が違うみたい。といっても、素人の悲しさで、何がどう違うか、よく分からないのですけど。ゴール前に集まったコーチがどくのを待って1本。隣でゴールを狙い始めた秋田選手や平瀬選手が蹴るのを待って1本という風に、地道にボールを蹴り続け、10本くらい練習していました。　

　 しばしの休憩が終わると、サイドの高い位置からのクロスに2人の選手が走り込み、2人のDFが対応する練習。DFは秋田、名良橋ペアと、金古、根本ペアです。満男選手は、隆行選手とペアになって走り込みます。4日前の試合で頭にスパイクが入り、2ヶ所を裂傷、3針ずつ縫ったという隆行選手ですが、今日は最初から元気。でも、ゴール前に飛び込まず、下がってボールを受けて、満男選手に落とすパターンが多くて、もしかしてヘディングを避けているのかもしれません。セレーゾ監督の細かい指示がかなり飛んでいて、この練習も20分ほど続きました。　

　 そろそろ、寒くなってきたグランドですが、練習は、まだ続きます。今度は、DF組とMF&FW組に別れての練習。セレーゾ監督はDFに付き添います。残りの選手を指導するのは関塚コーチ、コンビネーションプレーを重視したシュート練習です。　

　 いろいろなパターンを行っていたのですが、ポイントは、シュートに行くときに、1人で行かずに、必ず、2人の動きのコンビネーションを使うことみたい。ボランチがボールを持ったときに、1人が下がってもらおうとする動きを入れているうちに、もう1人が前に走り出してパスを受けシュートとか、サイドに出たボールを、2人の選手が同時に走り出してもらう態勢を作るとか。中盤から出たパスを、1人が横に落として、もう1人がダイレクトにシュートとか。　

　 満男選手は、球出し役ではなくて、ずっとシュートを打つ練習。今日は、攻撃的MFが満男選手しかいないせいか、すっかりFWと同じ練習をこなしています。シュートの精度は今ひとつでしょうか。難しいループシュートなど何本も狙っていましたが、どれもGKに阻まれてしまいます。　

　 どうやら、さっきのミニゲームよりは、ずっと体が楽になったらしく、ちょっと面白いこともしてみる満男選手。なぜだか小林選手の二の腕を、拳で殴ります。ドンドンドンと殴られて、小林選手が反撃するかと思ったら、そうではなくて、肩を叩きながら、差し出します。満男選手、またまた殴ってます。小林選手、何か話しながら肩を差し出して、平気ってことが言いたいのかしら、ずいぶん、たくさん、満男選手が殴って、最後の方はずいぶん強かったけど、小林選手は顔色も変えません。これって、どういうコミュニケーションなのかな。最後に、小林選手、満男選手を殴るフリをして、2人笑顔を見せて終わります。　

　 隆行選手にも何か面白いことを言ったらしく、「ガハハハハ」と笑わせる満男選手。そのあと、しばらく寄り添って、2人で何か話をしています。　

　 といっても、今日はほとんどの時間、まじめな顔をしていた満男選手。たまたま、誰かに話しかけたのか、ゴールの方に向いているところで、関塚コーチに呼ばれたのに気づかずにいて、「オガサ!」って、ちょっと強めに名前を繰り返されてたけど、ほかの時には、きちんと話を聞いてたんじゃないかな。　

　 シュート練習の最中には、派手に手鼻をかむことも何回かあって、風邪もひいてるのか。それとも花粉症かしら。どうやら、具合悪いのは、お腹だけではないようです。　

　 あまりシュートの決まっていなかった満男選手だけど、見事に鋭いシュートがゴールネットを揺らして、高桑選手が、「ワーッ!!」と大声を上げて悔しがりながら崩れ落ちた瞬間に、シュート練習終了。DF練習に合流する選手もいたり、三々五々と選手たちが散ります。　

　 別メニューのトレーニングを終えて、ロッカールームに引き上げる山口選手が、コーナー付近を歩いているのを見つけた満男選手。センターサークルの真ん中から、大きなパスを送ります。ぴったりと届いたパスに山口選手も気づきます。近くには、ビスマルク選手が上がったあともトレーニングを続けていたファビアーノ選手と、リカルドフィジカルトレーナーとマリオコーチ。満男選手は、またまた、大きなボールを送ります。3人とも気づいて満男選手の方を向いたところで、もう1本。今度は、ちょっと外れてしまって、ファビアーノ選手が走ってボールを拾いに行きます。　

　 そのあとだったか、他の選手たちと一緒に、芝の上で休憩。ボールの上に背中を乗せて、ごろごろしてみたり、ストレッチをする満男選手。しばらくして立ち上がります。またまた、ロングシュートを1本。そして、ロッカールームに向かいながら、コーナー近くで立ち止まり、シュートを1本、これは、きちんと決めて上がっていきました。　

　 結局、曽ヶ端選手と祥朗選手は、グランドに姿を現さず、少し気にはなりますが、次の試合まで、10日間。焦りは感じさせない練習でした。