2001/4/20(Fri)

　 昨日の午前・午後とも練習に参加していなかったという満男選手。様子が心配で、急遽、見学に行ってきました。今日は、午後3時から、1回だけの練習です。日中は、もう汗ばむほどの陽気ですが、日が落ちてからは、風も強く、まだまだ寒い鹿嶋でした。　

　 午後3時に、グランドに姿を見せた選手は、GK3人だけ。フィールドプレーヤーは、室内で、何かしているようです。といっても関塚コーチは、グランドで、ミニコーンを並べたり、練習の準備をしているので、戦術的なミーティングではなさそう、フィジカル面のことなのでしょうか。　

　 3時半、少し前に、まずはセレーゾ監督と通訳の鈴木さんがグランドに姿を現し、その後、パラパラと選手たちが出てきます。満男選手は4番目くらいに、ウインドブレーカーに短パン姿、ストッキングを下げたままで出てきます。火曜日に気にしていたという左スネ、遠目には、色が変わったり腫れたりはしていないようです。グランドに出てから、スネ当てを着けますが、クッションを入れたりはしていないようで、どうやら、大事はなさそうです。　

　 横に軽快にステップを踏んだ満男選手、小林選手と、幸聖選手とさっそくボール回し。3人なので、ただ回しているだけかと思ったら、いたずらされたのかしら、突然、「何やってんだよ〜!!」と、笑いながら怒っている満男選手の、大声が響きます。　

　 グランドに出てきたフィールドプレーヤーは16人。秋田、ファビアーノ、名良橋、本田、ビスマルク、池内、山口、金古、内田、松島、小林、幸聖、平瀬、柳沢、長谷川、それに満男選手です。　

　 最初の練習メニューは、このところ、しょっちゅう行われている、4人の鳥かご。関塚さんが、名前を呼び上げて、グループに分かれます。満男選手は、内田選手、名良橋選手、本田選手と。名良橋選手が遅れてきたので、それまで里内コーチが中に入っていたのですが、満男選手、最初のパスを里内さんにカットされてしまい、あっという間に中にはいることになります。悔しがる満男選手ですが、また、すぐにパスをカットして外に出ます。　

　 名良橋選手が、やってくると、派手なスライディングを見せたり、明るい雰囲気で練習です。外でくるくるボールを回されて、走り回らされて、もうダメと倒れこむ名良橋選手。パス回が回った回数を、コーチが数えているのですが、そのときは30回を越えていました。ようやく外に出た名良橋選手、満男選手に出したパスがラインを割ってしまいます。ばててる様子を見ていたせいか、満男選手、黙って中に入ろうとしますが、名良橋選手は、自分のミスだと言うように、手で胸を押して制して中に入いります。意外ときちんとしたところを見せてくれた名良橋選手ですが、またまた、パスを回されて倒れこんでいました。　

　 満男選手は、外でパスを回していて、目の前に寄せられると、ワンタッチで、高いボールを送ったり、ギリギリのところを通していったり、やはり巧さが目立ちます。一度は、ほとんどミスパスになりそうなところを、とっさにヘディングでつないで、中の選手を悔しがらせていました。　

　 中に入っても、切り返しの動きが、とてもきれいな満男選手。それでも、なかなかボールが取れなくて、走り回らされたり。でも、とても楽しそうです。　

　 この鳥かごのあいだに、熊谷選手と祥朗選手が出てきます。一緒にA・Bグランドの周辺をジョギングし始める2人。ジョギングのあとは、別メニューのフィジカルトレーニングと、2人でパス回しをして、5時頃上がっていきました。熊谷選手は、ジュビロ戦で、また右ふくらはぎを痛めたということですが、その熊谷選手と、全く同じ練習メニューをこなしている祥朗選手。このところ、ずっと、別メニューらしく、どこか痛めているのかもしれません。　

　 鳥かごを15分ほどやって、今度はダッシュ。里内さんの号令で、2組に分かれて、走ります。　

　 そのあとだったか、各自で、入念なストレッチ。今日は、満男選手、特に右の太腿を気にする様子はないようです。開脚したまま前屈、手近にあったボールを引き寄せて、転がしたりしてます。　

　 ダッシュのあと、3時50分くらいから、CBがビブスを着けての練習。配られたビブスを着けた秋田選手、いきなり、休憩中の満男選手を弾き飛ばします。またまた、ちょっとじゃれ合う2人です。　

　 CB1人と、GKを置いて、センターサークルの中からボランチがボールをサイドに出し、サイドバックの選手が上げるセンタリングに、2人の選手が飛び込んでいってシュートします。この練習で、左サイドに入ったのは、池内選手と内田選手。祥朗選手が別メニュー、根本選手はユースの南米遠征に行っていて、左が誰もいないんですね。バリエーションを変えた、CBを2人置いての練習では、池内選手がCB組に入って、関塚さんがセンタリングを上げてました。　

　 満男選手は、ゴール前での冷静さが光ります。金古選手と1対1、しつこく仕掛けてゴールを決めたり、巧くゴール前に走り込む幸聖選手に落として、ゴールを決めさせたり、小林選手にゴール直前で横パスを出して、シュートを打たせたりします。　

　 この練習は、満男選手かビスマルク選手が、FW2人の後ろから走り込む形にしたり、3人が同時に走り込んだりと、バリエーションを変えながら、30分くらい続きました。　

　 休憩時間に、またシュートを狙う満男選手。低いシュート、ループのミドルシュートと、数本打って、キレイに決めていました。　

　 4時半近くから、今度は、DFとそれ以外の選手に別れての練習。FW&MF組は、攻撃練習です。4人の選手が組んで、中盤から出したボールを、前線の1人が落とし、下がって受けた選手が、前に走り込んだ、もう1人の中盤の選手にパスを出して、シュートとか。バリエーションを変えながら、FWとMFが、特に区別なく同じ練習をこなします。　

　 満男選手、このシュートも、関塚さんに「ナイス!」と言われたり、かなりいい確立で決めていましたが、ボールを蹴り損なって、悔しかったのか、そのままの勢いでゴールに向かって走っていって、ポールにぶら下がったり、ヘディングを大きく上に逸らして、足を大きく広げたまま、後ろに倒れこんだりもありました。　

　 曽ヶ端選手がGKをするときに、特に厳しいのもいつも通りで、曽ヶ端選手がキャッチし損なって倒れている手の先を、ボールを回すように転がして、シュートを決めたりもしていました。　

　 幸聖選手も、いいシュートを決めていて、何回も「ナイス!幸聖!」という声が飛んでいました。　

　 この練習の途中で、一昨日からクラブハウスに顔を見せているという、相馬選手が登場。しばらく、グランドのほうを眺めたり、ストレッチをしていました。　

　 シュート練習の一番最後は、ペナルティエリアの少し外で、コーチが少しだけ転がしたボールを、そのまま蹴るというもの。これは、気持ちいいくらいに、選手たちが決めていて、逆に、GKは悔しがりまくっていました。満男選手にニアサイドを抜かれて、「ワオ!!」と吠える曽ヶ端選手です。　

　 シュートの順番を待っているあいだ、松島選手と並んで、愉快そうに、何やら話している満男選手。そういえば、今日は、久しぶりに、シュートしている選手を後ろから見ていて、楽しそうに微笑んでいる満男選手の表情が見られました。　

　 そして、5時くらいから、休憩中を挟んで、9対9のハーフコートのミニゲームです。休憩中に、満男選手がコーチに蹴ったボールが、コーチの蹴り損ないで見学席に飛び込んでしまいます。愉快そうに笑っている満男選手です。　

　 ビブスチームが、名良橋、長谷川、柳沢、幸聖、秋田、ビスマルク、本田、池内選手。GKは、曽ヶ端選手と加藤選手が交代で入ります。ビブスなしチームは、満男、ファビアーノ、松島、平瀬、内田、金古、小林、山口、高桑選手です。　

　 満男選手の動きがとてもよくて、今回は、ほとんど守備はせず、2列目から、前で働いてます。最初に関塚コーチが投げ込んだボールを、バシッと胸で受けます。確か、びぶすなしチームのゴールは、満男選手のアシストで、小林選手が決めたもの。ただし、得点を多く取ったのは、ビブスチームのほう。柳沢選手と、名良橋選手の豪快なシュートがありました。　

　 10分ほどで、ミニゲーム終了。終わると同時に、膝に手を置いて動けなくなる満男選手ですが、このところ、ミニゲームの最後には、地面に倒れこむことが多かったので、普段よりは疲れが出てないのかもしれません。今日はあまり給水する姿を見なかった満男選手ですが、さすがに、しっかり給水します。そして、練習着をパンツから引っ張り出すと、アンダーシャツで顔の汗を拭い、ボールに腰かけて、ひと休憩です。　

　 練習はここで終わりかと思ったら、まだ続きがありました。里内さんが名前を呼び上げて、10人くらいの選手たちが、グランドの端に集められます。ボールを使った、フィジカルトレーニングです。2人のコーチがボールを投げて、前に走り込んでヘディングで受け、後ろに下がってもう一度ヘディングするとか、前に走り込んでパスを返し、後ろに走り込んで、またパスするとか。「はい、オガサ」と、里内さん、一人一人の選手の名前を呼んでボールを出します。　

　 柳沢選手、ビスマルク選手、とセンターバックの選手たちは、ここで上がって行きました。この時間、セレーゾ監督がつきっきりだったのは、名良橋選手、内田選手の2人のサイドバックと、なぜか金古選手のシュート練習。サイドバック2人が、左足のシュートを練習させられているのは分かるのですが、なぜか、何回もシュートを打たされている金古選手。フィジカルトレーニングの休憩中に、この光景を見た選手たちも、さっそく受けています。金古選手のシュートが決まって「ワオ〜!!」と、奇声を上げる満男選手です。　

　 奇声といえば、本田選手の蹴ったボールが、球出しの里内さんを直撃したときも、選手たち、一斉に、はやし立てるような奇声を上げていました。　

　 この練習は5時半頃終了。最後の最後、確か、松島選手が蹴ったボールが、大きく上がって、駐車場のほうに飛び込んで、ボッコンという音がして、選手たちびびってましたけど、大丈夫だったのかな。見学席からは、駐車場が見えないので、結末は分かりません。　

　 上がっていく選手の中、セレーゾ監督がFK練習に使う人型を引き出してきます。最後は監督直々のFK指導のよう。「コバヤシ!」と、何回も小林選手が呼ばれます。練習の場所に立ったのは、満男選手と小林選手と金古選手。金古選手がFK練習かと、ビックリしたのですが、これは、ちょっと蹴ってみただけのようで、1回だけで止めてました。ゴール前、右寄りと左寄りから、10分間ずつくらい。セレーゾ監督がホイッスルを吹いて、1本ずつ蹴っていきます。満男選手が、あまり得意でない左寄りから、先に決めたのは小林選手。でも、コツをつかんでからは、満男選手も、キレイに落ちるボールを決めるようになって、50％くらいは決めていました。　

　 得意な右寄りは、他の蹴り方をしようとしたのか、すぐには決まらず。何本か打ったところで、セレーゾ監督が近寄ってきて、何か言ってます。満男選手が、すぐ近くの関塚コーチにいったん出して、関塚コーチが止めたところを蹴れということみたいです。満男選手、やってみますが、人型にまともにぶつかってしまいます。これは、小林選手のほうが圧倒的に得意。数回、決めてました。満男選手は、関塚さんが止めたボールを、ゆっくりと蹴ったとき、1回だけは、きれいなカーブをかけて決めてましたが、速く蹴ると、全部が人型をストレートに直撃。3回くらい、同じことの繰り返しになってしまい、最後には、満男選手、後ろにひっくり返っていました。　

　 あまり、うまくいかないせいか、1人で蹴るFKに戻ります。さすがに、これは満男選手は得意。7〜8割は決めていたでしょうか。決まるたびに、セレーゾ監督が手を叩きます。小林選手もなかなかのもので、満男選手ほどの確率ではありませんが、速いボールを、決めていました。　

　 練習終わり頃になって、見学席には取材陣がいっぱい。どうやら、スペインに出発する日本代表の、最終調整が、このあとグランドで行われるようです。そのせいか、携帯電話を持った野見山さんが、グランドの端をうろうろ。そろそろ、練習を切り上げて欲しいのかもしれませんが、まさか、熱の入った指導を続けているセレーゾ監督に止めろとはいえないようです。　

　 FK練習が終わったのは、6時少し前。3時間近い、長い長い練習でした。満男選手は、足元でボールを転がして、左右に大きく切り返したドリブルをしたり、またぎフェイントのようなことをしてみたりしながら、一番最後に、グランドを上がっていきました。　

　 6時10分頃には、代表チームのバスが到着。薄暗い中にも、隆行選手の金髪が目立っていました。