2001/4/29(Sun)

　曇の天気予報だったのですが、開場直後からポツポツと雨。結局、試合終了まで、弱い雨が降り続きました。ピッチが湿って、足の速い選手は、アントラーズDFにとって、やっかいな存在になると思ったのですが、ツゥット選手はケガのため欠場。アントラーズは、隆行選手が警告累積で欠場。変わりに平瀬選手が入ります。なかなか選手が固定できない左サイド、今日は、祥朗選手がケガが治ったばかり、根本選手は南米帰りということで、右サイド専門の内田選手が入ります。内田選手、左サイドの練習は、ここ2週間ぐらいしかしてないんじゃないかしら。

　選手入場で登場した満男選手、1列に並んでいるあいだ、思いきり体を左右にひねってます。本田選手は試合出場250試合目で、花束が贈られますが、アントラーズ、レッズ両方のサポーターの声援の大きさに、アナウンスが全く聞き取れません。国立競技場から近い、浦和のサポーターが、大挙して押しかけ、この日の入場者数は4万人以上。レッズサポーターのコールは、地鳴りのように響きます。

　写真撮影のあと、ピッチでパス交換をする満男選手。一昨日の練習試合の時から、お腹の調子が悪そうで、心配していたのですが、体の切れは悪くはなさそうです。ただ、雨の影響か、少しトラップをミスしたりしています。

　キックオフ直前、選手の並びを見ると、右サイドは前から平瀬選手、満男選手、本田選手となってます。

　満男選手の体の動きは悪くなさそうです。練習試合では、多分、本番のことを考えて、体力を温存しているのだろうとは思っていたのですが、実際、きっちり動けているところを見て、少しホッとします。

　2分、名良橋選手のタックルが、相手選手の足に入り、イエローカードが出てしまいます。これで累積3枚目。次節は出場停止です。

　4分、ビスマルク選手の右CK、混戦の中、跳ね返ったところを、ペナルティエリア内左隅にいた満男選手が、ボレーシュート。見事に枠に飛びましたが、DFにクリアされてしまいます。

　この直後、名良橋選手のスローインを、右コーナー付近に走り込んで受けた満男選手、右足首をひねってしまったのか、膝に両手をついて、動けなくなります。すぐに走り出しはしたのですが、あとから、右足をついたまま、足首をぐるりと回すような、足を気にする仕草をしていました。後半にも1度、右足を気にしていて、たいしたことがなければいいのですが。

　ビスマルク選手が右に流れて、早いうちから左サイドでプレーするようになった満男選手、内田選手がフリーでボールを持つと、手を何回も動かし、ドリブルで上がってくるようにうながします。主に、ドニゼッチ選手が満男選手に着いているようです。

　8分、名良橋〜ビスマルク〜名良橋〜柳沢〜本田と、少ないタッチでボールを回すと、本田選手のサイドチェンジから、内田選手が柳沢選手へパス。柳沢選手はワンタッチで満男選手にボールを落とすと、満男選手はスルーパス。これは、柳沢選手と意図が合いませんでした。

　9分、満男選手がハーフライン上から、裏を狙った長いパスを出しますが、オフサイドです。

　11分、ビスマルク選手から受けたパス、30メートルのミドルシュートを放ちます。低めに押さえられた見事なシュートですが、ゴールの左にそれてしまいました。

　12分、DFのクリアボールを拾った満男選手、後ろから抱きつくように止めに来る阿部選手をものともせず、ドリブルで進むと、センターライン中央から、裏の右のスペースに、左足で平瀬選手を走らせるロングパス。平瀬選手に通りますが、平瀬選手、ファールを受け倒されてしまいます。

　これで得たFKからのプレー、DFのクリアボールを満男選手は、ワントラップするとボレーでミドルシュート。キーパー正面でキャッチされたしまいましたが、見事なコントロール。こぼれ球を狙って、柳沢選手が走り込んでいただけに、惜しいシュートでした。

　15分、内田選手から出たボールを、ワンタッチで後ろの平瀬選手に流すと、前にあがる満男選手。これは、意図が通じず、平瀬選手がワンテンポ遅れてしまいます。頑張ってキープした平瀬選手が反転、シュートしたボールはDFに当たり、高く上がります。そこを満男選手、またボレー。多分、シュートを狙ったのだと思うのですが、これは、高く上がってクロスのようになってしまい、中田選手がヘディングで落としますが、シュートには持ち込めませんでした。

　満男選手が、いい動きで、何回かスルーパスを狙いますが通りません。

　20分、ファビアーノ選手がピッチに倒れこみ、苦しそうに大きく手を挙げます。担架で運び出されて、すぐにトレーナーの方の×マークが出てしまいます。現場で見ていても深刻に感じる様子だったのですが、右内転筋の肉離れで、全治3週間ほどとのこと。ようやく、去年のCBコンビが落ち着いて組めると思っていたところで、残念なケガです。

　U-20の南米遠征から、3日前に帰ってきたばかりの羽田、青木、根本、野沢選手は、今日はベンチから外れていて、CBで入っているのは金古選手。慌てて、交代の用紙が提出されます。交代が認められるまで、ピッチでは、自主的に、中田選手がCBに、満男選手がボランチに下がります。

　プレーが切れて、金古選手が左CBに。突然の交代でしたが、この後、落ち着いてプレーしてくれました。

　23分、相手右サイドバックの山田選手が上がろうとするところ、満男選手がうまく体を入れてボールを奪います。

　24分、相手DFを背負った柳沢選手に、満男選手がパスを通します。そこで、柳沢選手が倒されてFK。ゴール真正面辺り、距離は少しあって30メートルくらいでしょうか。ボールの近くに立ったのは、ビスマルク選手、名良橋選手、満男選手。ビスマルク選手が壁に寄って指示しているあいだに、名良橋選手が満男選手に近寄って、何か言ってます。満男選手に蹴らせようとしているのでしょうか。満男選手は、頭を動かして、壁の位置を何回も確認しています。そして、やはり蹴ったのは満男選手。グラウンダーのボールは、ジャンプした壁の足元を、きれいに通り過ぎますが、少し弱く、残念ながらGKにキャッチされてしまいます。

　ゴール裏からは、満男選手の応援歌、ミッキーマウスマーチ。今日、始めに歌われた個人の応援歌も、この歌でした。

　この直後、中田選手から、右サイド、名良橋選手にボールが渡ると、満男選手はDFの位置を確認してタイミングを計り、一気に前方にダッシュします。そこに低いクロス。DFを引きつけながら、満男選手はスライディングしますが、一歩足が届きません。そこに、フリーで走り込んできたのは柳沢選手。ファーサイドで、キーパーとポストのわずかのすき間に、冷静にボールを流し込みます。

　満男選手、ゴールが認められたことを確認すると、笑顔で柳沢選手に抱きつきます。

　守備に入ってドニゼッチ選手と交錯、背中から落ちてしまった満男選手。わずかなあいだ、立ち上がれずにいます。立ち上がった満男選手のお尻を、金古選手、ポンと叩きます。

　右サイドライン際、DFに前方をふさがれた満男選手。左足でボールを浮かせて、ライン上を通して、前にいる内田選手にパスを通します。

　危ない場面、金古選手が大きくボールを前にクリアすると、拍手をしている満男選手です。

　前半終了直前、少し攻め込まれてきたアントラーズは、ゆっくりとボールを回して、リズムを変えます。平瀬選手から、満男選手に入ったボール、満男選手は後ろから来た選手にボールを奪われそうになり、伸ばした足にボールを当てますが、ミスパスになりカウンターになってしまいます。小野選手のシュートが外れて助かりましたが、危ない場面でした。

　前半終了すると、満男選手は手で顔の汗を一度ぬぐい、真っ直ぐにメインスタンド下に引き上げていきます。

　後半が始まると、前半とは一転、レッズの選手たちが激しく動き始め、プレッシャーが強くなります。前半は、一貫してアントラーズペースでしたが、レッズの攻撃も目立ってきます。

　ドニゼッチ選手からボールを奪おうとした満男選手、倒してしまいファールを取られます。満男選手が、ボールをなかなか離さずにいたところ、後ろから山田選手が手で突き飛ばします。倒れた満男選手、立ち上がると、その場を離れますが、いつも通り、冷静な様子です。

　しかし、このプレーで、山田選手の闘争心に火がついたのか、突然の上がりを見せます。前半は、ほとんど仕掛けてこなかった山田選手、ここで本気にならせると恐いと思ったのですが、ワンプレーだけで、先は続きません。

　7分、中田選手から、左サイドにいた満男選手に出たミドルパス、完璧なトラップで前を向くとボールをコントロール、ファーサイド、DFに着かれながらもスペースに走り出す平瀬選手に速いクロス。平瀬選手、体を投げ出してヘディングシュート。コントロールされた強いボールが飛びましたが、GK正面、パンチングされてしまいます。こぼれ球に詰めていく選手がおらず、残念ながら得点になりませんでしたが、決定的な場面でした。

　15分、ポストに入った柳沢選手から、平瀬選手、満男選手とワンタッチでつなぎ、満男選手は、前に走り込む柳沢選手に合わせてパスを出しますが、DFにカットされてしまいます。

　このあと、柳沢選手のヘディングシュートがGKに片手で弾かれ、こぼれたボールを内田選手から、満男選手につないだところに、小野選手が猛然と走り込んできて、横からタックル。足を払われて、満男選手倒れますが、ファールになりません。痛そうに、わずかのあいだ立ち上がれずにいる満男選手です。

　ここで、今日、あまり調子のよくなかった福田選手に替わって、足の速い永井選手が入ります。このところ、後半になると運動量の落ちるアントラーズ。それを狙っての交代でしょう。この交代のあとから、これも作戦でしょうか、右サイドの山田選手が積極的に上がり始めます。

　後半も、前半と同じように、主に左サイドにいた満男選手ですが、ビスマルク選手が左に流れたのに合わせて、右に流れます。慣れない内田選手が守っている左サイド、対面は怖さのある山田選手なので、満男選手が左にいた方が、守備的に落ち着くと思うのですが、結局、満男選手の交代まで、左右は変わらないままでした。

　21分、柳沢選手からのパスを受けた満男選手、スルーパスを出しますが、DFにカットされます。パスを出した直後に、相手選手に引っ張られたのか、前のめりに倒れてしまいます。

　ビスマルク選手からのパスを受けた満男選手、柳沢選手とのワンツーでDFの裏に抜けます。ペナルティエリア内左側、ゴールラインギリギリから、倒れこみながらクロスを上げますが、DFに当たってしまいました。

　アントラーズのゴール前、小野選手のFK。壁の後ろに入った満男選手、グラウンダーのボールを警戒してでしょうか、腰を屈めて、じっと前方を見つめます。

　27分、8番のボードが掲げられます。満男選手は歩いてハーフラインに向かい、熊谷選手と交代します。そして、ベンチのスタッフに労われながら、そのまま歩いてメインスタンド下に消えました。

　このあと、しばらく、自らのミスもあって、ほとんど、アントラーズ陣内で試合が進みます。ラインを割るギリギリのところで、秋田選手がボールを蹴り出したりして、なんとか失点を防いでいます。

　数少ないチャンスを生かして、41分、ショートコーナーから、名良橋選手のクロスで、柳沢選手のダイビングヘッド。2点目です。

　ロスタイムは2分。1分すぎたところで、平瀬選手に替えて小林選手が入ります。時間稼ぎの意味の強い交代ですが、小林選手にとっては、J1初出場。勝てそうな場面で、少しでも経験を積ませたいという監督の考えでもあるのでしょう。

　しかし、ここで守りきれないのが、今年のアントラーズ。左サイドを崩され、阿部選手にボールを押し込まれ、1点を許してしまいます。古巣相手の戦いで、最初から、気迫にあふれたプレーをしていた阿部選手の、最後の執念が実ったかのようなゴールでした。

　2-1で試合終了。久しぶりに見る、ビスマルク選手の祈りのポーズです。開幕戦以来の勝ち星。決して満足できる内容ではありませんでしたが、選手たちは、勝利の自信を持って、ゴールデンウイークの残り2戦に臨んでくれでしょう。

　TVのアナウンサーによると、満男選手は、まだ完全に十二指腸潰瘍が治りきってはいないとのこと。辛いでしょうが、連戦を、なんとか乗り切って欲しいと思います。