2001/7/6(Fri)

　関東地方は、朝起きた瞬間から暑いような天気が続いています。曇の予報だったのに、鹿嶋は今日も晴れ。時に雲がかかったり、少し風もありましたが、外に立っているだけで疲れてしまうような、ものすごい暑さです。

　試合を翌日に控えての練習。全体練習は、アップのあとに、2/3コートで、12対12のミニゲーム。グランドに出てこなかった選手は、ビスマルク選手と、青木選手。このところ、外に出てきていない青木選手は、ワールドユースから帰ってから、練習中に左足首のねんざをしてしまったそうです。

　ミニゲームのあと、セットプレーの練習。ビスマルク選手がいないので、キッカーは野沢選手がやっていました。スタメン組と思われる方に、曽ヶ端、名良橋、秋田、池内、祥朗、中田、本田、ビスマルク、本山、平瀬、隆行選手でした。

　9時15分頃、駆け足で出てきて、全体の練習に向かうトレーナーさんに続いて、満男選手がロッカールームから出てきます。普段は、練習着の裾を、パンツの中に、キッチリ入れている満男選手ですが、さすがに暑さには勝てなかったのか、珍しい裾だしスタイル。ストッキングは、思いっきり下げて、トレーニングシューズをはいて、両手にスパイクを1足ずつ持って、ブラブラさせながら歩いていきます。

　ひじは、まだ、完全に伸びてはいません。トレーナーさんと一緒に出てきたということは、多分、室内で、手伝ってもらって、ひじの曲げ伸ばしのリハビリをしていたのではないかと思うのですが、そう思ってみるせいか、心なしか、2日前よりは伸びている気がします。このあと、練習中に、自分の右手で、左腕を持って、力を込めてひじを曲げようとしていたのですが、やはり、曲げる方も完全にはできないようで、手首と腕のあいだが、5センチほど開いてしまってました。もう一息ですね。

　Bグランドの方に行くと、ベンチに座ります。ちょうど、全体練習のアップが終わる頃だったのかな、何か話しかけてきた内田選手には、2本の指を立てて答えている様子。近づいてきた柳沢選手、里内さんとも話をしてます。

　そして、2つのサッカーボールを足下に置いて、両足を乗せて、ミニゲームに見入ります。面白いプレーでは、笑ってみたり。多分15分ハーフくらいでやっていたのですが、ハーフタイムには、みんなと一緒に給水。後半の始まりには、センターサークルに立つ、レフリーの関塚コーチに、ボールを蹴って送ります。ゲームが再開されてから、気になったのでしょうか、トレーニングシューズの紐を、両足とも、ていねいに結び直しています。一度、ボールがラインを越えて自分の方に飛んできたときには、すかさず立ち上がって、ヘディングで落とし、戻していました。

　ミニゲームが終わると、本山選手と話をします。そのあと、すぐに、中嶋選手とパス交換。中嶋選手、今日はミニゲームにも参加していて、どうやら、完全復帰のようです。長い長いリハビリを乗り越えて、ようやく、みんなと一緒に練習できるようになった、中嶋選手。これからの活躍が楽しみです。

　2人は、いつの間にか、背もたれつきのベンチをネットに見立てて、それを越しながらのパス交換。ベンチには、フロントの人が座っていたのですが、ボールがそれて当たりそうになり、フロントの人は避難せざるを得ない羽目に（笑）。そうそう、このフロントの人には、ミニゲーム中だったかしら、満男選手が憎まれ口を叩いたのか、喉元をつかまれて、揺さぶられていました（笑）。

　満男選手と中嶋選手、また、普通のパス交換に戻ります。短い距離から、だんだんと、距離を延ばして。パスの蹴り方も、いろんなものをやっていて、ただ遊んでいるわけではなく、工夫しながらやっていることが感じられます。ボールを触っているときの満男選手って、いつも、楽しそうだから、ちょっと見には、単に遊んでいるように見えるのだけど、きっと、いろいろ考えながらやっているのですよね。

　そうしているうちに、9時50分くらいかな、室内練習をしていた熊谷選手が出てきます。少し先に出てきていた、リカルドフィジオセラピストが、満男選手に話しかけます。これからのトレーニングメニューのことかな、2人で話をしています。通訳さんもなく、2人だけで話していて、通じているのかなと思っていたら、満男選手、人差し指で、グランドの外側の方を指さします。リカルドが答えると、確認するように、リカルドを指さしてから、もう一度、同じ方向を指さします。通じたのかしら、笑顔になる満男選手。手を上の方に掲げて、四角い箱を描くように動かしたりもしています。リカルドが指導する、室内でのリハビリには、通訳がつかないのが普通だから、いつも、こんな風にジェスチャーを交えて、コミュニケーションを取っているのでしょうね。

　10時ぴったりに、熊谷選手と並んで、ジョギング開始。さっきから、満男選手が、ずっとミニゲームを、ただ見ていたのは、同じリハビリメニューをこなすために、熊谷選手の室内練習が終わるのを待っていたようです。セットプレーの練習が続いているBグランドを避けて、AグランドとCグランドの周りを、2人並んで走ります。

　Aグランドの見学席には、制服を着た、中学生かな、20人くらいの集団がいて、満男選手は、随分気になるよう。そちら側を通るときには、首を動かしたりして見たりもしています。そして、AグランドとBグランドの境目を通るときには、セットプレーの練習が気になるらしくて、やはり、首を動かして、そちらを何回も見ます。

　Aグランドの見学席のところ、鹿ガーデンの前辺りには、10人ほどの親子連れ。サッカーボールで遊んでいるうちに、ボールが1つフェンスを越えてグランドに。ちょうど、通りがかった満男選手は、ちょっと引き返して、蹴って返してあげてました。そちらで見ていた友だちによると、「ボール取って!!」と、子どもたちに声かけられたみたい。

　いつもは、ランニングを開始するとすぐに、険しい顔になる満男選手ですが、今日は、ペースがゆっくりのせいか、楽な表情。熊谷選手と会話をしてか、少し笑顔になっているように見えることもあります。

　20分ほどで、ジョギングは終了。熊谷選手と、なぜか、別々のベンチに座ります。この頃には、全体練習は、もう終わって、明日試合の選手たちは上がっていったあと。居残りのFK練習の中田選手、名良橋選手と、試合に出ない選手たちのシュート練習が続いています。

　満男選手たちが休憩しているあいだに、リカルドがポールやコーンを並べて、サーキットトレーニング開始です。最初は、確か、ボールを使わずに、そして、後半は、軽くリカルドにボールを蹴り返したりの動きも入れながら、練習は20分ほど続きました。満男選手は、もう、1〜2本目から、苦しげな様子でした。

　サーキットトレーニングが終わると、満男選手は、関塚コーチにつき合ってもらって、ロングパスの練習を始めます。これは、リハビリのメニューとは別に、自主的なものでしょう。30〜40メートルくらいのパスを、多分、20本以上は蹴っていたと思います。

　関塚コーチが上がると、足下にボールを置いて、まだ続いているシュート練習をじっと見る満男選手。すごく遠くの姿だったんだけど、どうにも、自分がやりたくて仕方ないように見えました。それとも、自分の相手になってくれそうな人を、探していたのかしら。

　視線を元に戻すと、ボールを、シュート練習とは逆側のゴールに向かってポーンと蹴る満男選手。ゴールを外れてしまい、転がるところ、相手がいないので、拾ってくれる人もいません。ゴールの横に座り込んでいたイッカコーチ、その様子を察したのか、立ち上がって、蹴り返してくれます。そこに、通りがかったリカルドとも、パス交換。でも、1回くらいしかつき合ってくれなくて、満男選手は、上がっていくことにした様子。

　ロッカールームの方に向かって、歩き始めたのですが、そこには、バス3台でやって来た、遠足の小学生たちが、色紙とサインペンを持って、待ちかまえてます。満男選手、歩きかけて、引き返し、イッカコーチと話をしていた根本選手の方に話しかけます。上がっていくのを止めるかと思ったのですが、思い直したように、ロッカールームの方に向かう、満男選手。いつもだと、すたすたと引き上げていくのですが、足取りもゆっくり、通りがかりのネットに手をかけたりして、迷っているような様子です。根本選手が、なかなか追いついて来ないので、ついには、大きく振り返って、根本選手に、もう一度声をかけます。

　そして、意を決したかのように、フェンス越しに小学生の前に行く、満男選手。次から次へと差し出される、色紙、下敷き、帽子などなどに、どんどんサインをしていきます。渡されたサインペンのキャップが開かなかったり、炎天下の元ってだけでなく、なかなか大変な様子。顔は、笑ってはいないけど、固いというかんじでもなくて、ちょっとお兄さんっぽい感じ。

　あとから来て、サインを始めた根本選手は、どうやら、早々に引き上げてしまったようだけど、満男選手は、一段落するまで、延々とサインを続けて、40人か50人くらいはしたかもしれません。本当に、お疲れさまでした。そして、鹿ガーデンの方から「サインくださーい!!」と呼びかける声には答えず、ロッカールームに引き上げていきました。

　そうそう、2日前の練習では、シャワーを浴びずに帰っていったと思われる満男選手ですが、今日は、その時よりはゆっくりとロッカールームから出てきました。シャワーはちゃんと浴びたかな（笑）。