2001/7/27(Fri)

　7月21日の1stステージ最終節から、4日間の短いオフに入っていたアントラーズ。オフ明け2日目の練習に行ってきました。今日は、朝9時からの1回の練習。太平洋を通っている台風の影響か、雨もぱらつき、このところ続いていた猛暑も一息ついた感じ。時に薄日が差すものの、曇り空に強い風が吹いて、涼しい練習見学でした。

　昨日は、6キロ走のみのメニューだったということですが、5分くらいのミーティングのあと、ロッカールームから出てくる選手たちは、プロテクターを手にしていて、今日は実戦的なメニューのようです。

　Bグランドに移動して、2組に分かれて鳥かご。しっかり確認できなかったのですが、満男選手もこのグループの中にいたのではないかしら。伸びかけた髪に、薄い無精髭。少し顔がふっくらとして見えます。しっかりとウインドブレーカーを着込んで、プロテクターを着け、ぴっちりとストッキングを上まで上げています。

　GK4人が別メニューでランニングする中、フィールドプレーヤーは、里内コーチの号令でストレッチ。グランドに出てきていない選手は、相馬選手、中田選手、山口選手。中田選手は、ガンバ戦で左足首を軽く捻挫してしまったのとこと。中田選手、山口選手は、20分くらいの室内練習のあとジョギングと、サーキットトレーニング。相馬選手は、もう少しあとに出てきて、ジョギングやトレーニングしてました。

　しっかりチェックできなかったのだけど、満男選手のストレッチは、目立って変わった動きはなかったと思います。

　ストレッチがすむと、4組に分かれて、コーンを使った短いコースをボールをパスしたりドリブルしたりしながら走ります。コーンは、矢印の形に置かれていて、スタート地点から、矢印の先に向けて走ると、次の選手が出すパスを受けて返します。左に折り返して、左側のコーンを回ると、先端を回りながら、2本目のパスを受けて、ドリブルでスタート地点のほうに戻る感じ。文章では、とても説明できない動きですが、最初は選手たちも分からなかったらしく、デモンストレーションを見ながらゆっくりの発進です。満男選手も、始めはゆっくりでしたが、慣れてくると、メリハリをつけたスピードのある走りになります。

　一緒のグループには、本田選手、祥朗選手、野沢選手、隆行選手、熊谷選手。長いこと別メニューで練習していた熊谷選手は、7月19日の紅白戦にフル出場、今日も最初から全体練習に参加。ほとんどのメニューを一緒にこなしました。

　満男選手は、前後になった野沢選手と、いろいろと話をしているようで、笑い顔も見られます。一度、野沢選手が蹴ったボールが、ずいぶん高くて、満男選手が思いっきり飛び上がっても頭に当たらず、満男選手、大きな声を出しながら、ちょっとおどけた顔をしていました。

　30分ほどのこの練習を続けたあと、一休憩。給水をすると、見学席から見て、右側のピッチから、左側に移動します。

　確かこの時、満男選手は、秋田さんとパス交換。秋田さんが高く上げて何回かリフティングをしたあとに、高いパスを満男選手に出して、受けきれなかったり。この2人のなかよしぶりも、久々に見た気がします。もう少し満男選手が本調子になったら、また、ミニゲームでのガチンコ勝負が見られるでしょうね。

　ハーフコートのミニゲームのために、ゴールがセットされています。アントラーズのハーフコートのミニゲームは、たいていの場合、フルコートの時とは方向を90度変えて、タッチラインのところにゴールを置いて行うのですが、今日の練習は、1つのゴールは、ゴールラインのところから動かさずに、もう一つをハーフラインのところに置いて、横幅は同じで、ゴールとゴールの距離を縮めて行います。

　満男選手、ゴールポストの脇に近寄ると、少し離れて立っていた本山選手に、GKが壁の位置を指示する真似をして、少し前屈みになって、右の人差し指で外側に動くように指示します。軽い遊びの感じだったのですが、容赦してくれなかったのは柳沢選手。満男選手の立っているゴールに向かって、思いっきりシュートを蹴り込みます。ちょっと、驚いた様子の満男選手でした。

　監督が名前を呼び上げて、ビブスを配ります。満男選手と同じく黄色のビブスを配られた隆行選手は、ビブスを首にかけただけのような、妙な格好で、AグランドとBグランドの周辺を2人並んでジョギングしてる中田選手と山口選手に向かって、「ダッシュ!　ダッシュ!!」と大声で呼びかけます。リハビリでジョギングしてるときに、ダッシュなんかやりっこないんですけどね。満男選手も、それを真似して「ダッシュ!　ダッシュ!!」と声をかけます。そして、ボールを1つ拾うと、2人の足元目がけて、ポーンと蹴ります。別メニューでランニング中の選手を見かけると、たいていボールを蹴る満男選手。いつも、キレイに走る速度に合わせてパスが出るのですが、今日は、少しずれてしまいました。足元に帰ってくるようにかけたカーブが、かかりすぎてしまって、後ろ側にボールが行って、山口選手、わざわざ少し戻って、満男選手にパスを返していました。

　チームで集まって、監督の話を聞いているあいだ、監督のすぐ近くで、横にステップを踏んでみたり、やはり落ち着かない満男選手です。

　本田選手は、満男選手の腕を気にして話しかけているようです。満男選手、確かめるように、両腕を地面に突いて腕立て伏せを始めるときのような格好になったり、左手だけを突いて体重をかけてみたり。立ち上がってからも、手のひらを下に腕を曲げて突く格好をしたり、今度はひじをしっかり曲げて、手を内側に入れるような格好をしてみたり。転んだときに、手を突くか突かないかといったことを話してるのかなという感じ。それにしても、ひじを曲げる様子は、本当に自然になりました。右手を添えなくても、しっかり曲がっている感じです。

　グランドには、ペナルティエリアの幅に、ミニコーンが縦に並べられて、ピッチが両サイドと中央の3つに区切られています。サイドバックの選手は、ずっとサイドのエリアにいなければならず、中央には入れないルール。攻撃のときは、サイドのエリアにもう1人入って、2人でサイドから攻めることができるけど、守備の時はサイドバックしかサイドのエリアには入れないということのようです。

　20分×2本、11対11のゲーム。組分けは、黄色のビブスが、名良橋、金古、羽田、アウグスト、本田、熊谷、小笠原、ビスマルク、隆行、平瀬。ビブスなしが、内田、秋田、池内、祥朗、ファビアーノ、青木、本山、野沢、長谷川、柳沢。多分、池内選手がCBで、ファビアーノ選手がボランチをやっていたと思います。見学してたときは、あまり、ちゃんと考えてなかったけど、2nd開幕直前の、レッズ戦に柳沢選手が出場停止で出られないことと、中田選手が別メニューのことを考えると、黄ビブス組はCB以外はスタメン組ですね。サイドからの攻撃の組み立ての練習をしてたんでしょうね。GKは、最初、曽ヶ端選手と加藤選手が、2本目は阿江選手と高桑選手が入っていました。

　といっても、監督は「カリオカ!!」と連発して野沢選手に注意をしていたし、関塚コーチも祥朗選手に、「中見て、中見て」など、細かく注意していて、決してスタメン組だけの練習という感じではありません。

　見学席の目の前のサイドに入ったアウグスト選手は、とてもスピードがあって、えぐってのクロスも、縦に行くと見せかけてのアーリークロスも見せてくれました。トラップとかパスは、それほど柔らかい感じはしないけど、1対1になったとき、一瞬の動きでフェイントを入れて抜いたり、やはり巧さを感じます。昨日の持久走でも、ダントツでトップを走っていたということだし、ゲームでプレーを見るのが楽しみです。

　満男選手は、サイドにボールが入ったときに、積極的にゴール前に飛び込んでいく動きが目立ちます。この1年で、すっかり身につけた動きで、やはり満男選手らしい感じがします。それから、他の選手と比べて目立って多いのが、ワンタッチのパス。前に通すにしても、後ろに下げるにしても、ボールが来る前に、しっかり判断して、ミスなくパスをさばきます。

　美しかったのは、中央の選手から、右サイドの名良橋選手に出たパスが、右前にいた満男選手、中央、隆行選手と、全部ワンタッチで繋がってシュートになったシーン。シュートはGKがパンチングしましたが、こぼれ球に平瀬選手が詰めてゴール。

　それからステキだったのは、ビスマルク選手から、長く速いパスが、ペナルティエリア内左端の満男選手に出たとき。ルックアップしてパスを受け、タイミングを計って、ニアサイドに長い距離を走ってきた熊谷選手にぴったしのクロス。シュートは惜しくもポールの左に外れてしまったけど、満男選手らしいプレーでした。

　そして、平瀬選手へのきれいなアシストも。後方からのパスを、中央の満男選手、ワンタッチで優しい浮き球で、DF1人を越して平瀬選手へパス。GKと1対1になった平瀬選手、楽に決めていました。

　思うようにいかないシーンも、ありました。左サイドでフリーだった満男選手、ボールを持ったアウグスト選手に「ハイ!」と声をかけたけど、ビスマルク選手にパスが出ちゃって、ビスマルク選手にも「ハイ!」と声をかけたけど、右サイドにパスが行ってしまって、思わず天を仰いでました。

　そういえば、アウグスト選手がボールを持ったときの満男選手の指示、「前!　前!　前!」って、日本語でしたよ。

　1本目が終わっての休憩時間、立ったまま大きなペットボトルをわしづかみにして、ゴクゴクと水を飲むと、顔や首筋に、水をかけます。よほど暑かったのか、パンツの裾を上げて、下に履いてるサポーターの裾を上にたくし上げるのだけど、なぜかウインドブレーカーは着たまま。どうしてなんでしょうね。サポーターだけをたくし上げて、パンツの裾は折り込まなかったので、今日はオムツ姿にはなりませんでした。

　「声出していこう」と関塚コーチからも声が飛んでいて、1本目は、本当にみんな声がよく出ていたのですが、疲れたのか、2本目は、声もあまり出なくなって、黄ビブスチームのほうが押され気味な感じだった気がします。その中で、すごい声が出ていたのが、高桑選手。曽ヶ端選手に比べると、コーチングの声が少ない印象があったのですが、今日は、ものすごく大きな声でコーチングを続けていました。

　ミニゲームが終わると、給水して一休み。この時も、真っ直ぐにクーラーボックスに向かう満男選手。1stの初め頃は、十二指腸潰瘍のせいで痛みが出るのか、ミニゲームが終わると、地面に倒れこんでいるか、ひざを押さえて動けなくなっている姿ばかりを見てた気がします。単に元気に歩いているだけど、その時を思うと、すごくほっとします。

　満男選手、今日は、ロングキックを繰り返すことはしませんでした。ゴールに向かって、数本の長めのシュートを、ちょっと蹴ってみる程度。オフ明けので、無理をしないようにしているのでしょうか。太腿の後ろや、足を気にしている様子はなかったので、張りや違和感が出ていて控えているということではなさそうです。

　センターバックは、ここから別メニューになって、それ以外のフィールドプレーヤーは、ミニゲームのあいだサーキットトレーニングをしていた選手たちも一緒になって、シュート練習。

　シュート練習に入る前に、中嶋選手の髪の毛をなでる満男選手。短い髪が、風に吹かれるせいか、上に立ったようになっていて、どうやらそれを面白がっているらしく、自分の頭の上に手を持っていって、モヒカンみたいに立ってるぞといったジェスチャーをしたりしています。

　シュート練習は、最初は、センターサークルの前辺りから、ボランチ（本田、熊谷、青木）がサイドにパスを出して、左サイド（アウグスト、祥朗、根本）と、右サイド（名良橋、内田、松島）が交互にクロスを上げ、中央から走り込んだ2人のうち、1人が落として、もう1人がシュートというもの。満男選手、最初のシュートはヘディングで見事に決めてました。

　風が強いせいもあるのか、「頭に高いボールを」というクロスが、なかなかきちんと上がりません。根本選手がやっぱり一番精度が高いかしら。この点ではアウグスト選手に勝ってる感じでした。

　満男選手は、そのあと、ジャンプして両足を揃えた格好でアウトサイドでシュートと、らしいプレーを見せてくれたけど、なかなかシュートが決まりません。ジャンピングボレーが、惜しくも左ポストの左側を通り過ぎたときは、大きなジェスチャーで悔しそうにしていました。

　そのあとは、SBが上げたボールを、直接シュート。これは、満男選手、右のクロスを、うまく合わせて、ファーサイド左隅に何本か決めてました。

　シュート練習の頃、グランドの真ん中に登場した名良橋選手の奥さんと子どもたち。中田選手や、羽田選手、早めに上がった隆行選手、本田選手が一緒に遊んでいたのだけど、一番、熱心だったのが本田選手。コーチになって、たっくんにサーキットトレーニングさせてました。コーンをクルッと回って、本田選手が転がしたボールを蹴り返す動きを、たっくんは、楽しそうに何回も繰り返していて、ビーチサンダルでやっているところがまた、とっても可愛かったです。満男選手も、長谷川選手と話をしながら、何度か視線を送っていました。

　そうそう、シュート練習の途中で、本山選手が満男選手に手を差し出して、満男選手がそれをペシッと叩いていたのは何だったのかしら。

　このところ、練習が少し短めになったかなと思っていたのだけど、このシュート練習は、1時間近く続いて、11時半頃に練習終了。暑い中だし、疲れ切っているでしょうけど、満男選手は終始ゴキゲンで、練習の最後のほうまで、他の選手のプレーを見ては笑ったり、楽しそうにしていました。

　すぐに引き上げていこうとした満男選手、ハーフラインのところに置かれたゴールの前で、中嶋選手がGKの真似をしているのを見て、笑いながら足を止めます。もう、ゴールの裏に行き過ぎていた満男選手、裏側に落ちているボールを、ゴール前にいる曽ヶ端選手にゴールを越すように蹴って渡します。曽ヶ端選手がシュートを打って、中嶋選手が飛びつくのを見て、また、ボールを出す満男選手。GKごっこを続けさせるために、「は〜い」なんて声かけながら、ゴール前の選手にドンドンボールを蹴り出していきます。さんざん蹴り出して、ゴール裏にボールがなくなって、満男選手は引き上げていきました。

　もう、ほとんどひじのケガのことを意識しないで見られるようになった練習見学。2ndに向けて、復帰が楽しみです。