2003/3/5(Wed)

　芝が枯れ黄色くなったAグランドを抜けて、選手たちは、青々とした芝の生えるBグランドで10分ほどのストレッチ。ストレッチが終わると、軽く20分ほどジョギングです。

　紺のジャージ姿の満男選手は、ニット帽を深くかぶっています。先週末の佐川急便との練習試合では、ごく短く刈り上げた黒髪に、眉も黒く染め直していたという話ですが、ニット帽の下で、髪の毛は全然見えません。

　もんぺスタイルではなく、ジャージの裾を外に出して着ている満男選手。日陰は凍える寒さですが、日の当たるピッチは、少し暖かなのでしょう。何人かの選手は、ハーフパンツをはいています。

　AグラントとBグランドの周囲を、右回りに走る選手と、左回りに走る選手。好きな方向に走っているようです。満男選手は、平瀬選手と並んで話をしながら、時計と反対回りに走ります。

　大岩選手は、名良橋選手、中田選手と話しながら。深井選手は秋田選手と話しながら。セレーゾ監督も関塚コーチと並んで走ります。エウレル選手と話しながら走るフェルナンド選手。靴ひもがほどけてしまい、結び直しているあいだ、エウレル選手が立ち止まって待っています。

　GKの3人、高嵜選手、加藤選手、首藤選手は、初めから、フィールドプレーヤーと別のメニュー。肩を痛めているという曽ヶ端選手は、その3人とも別に、ひどくきつそうなトレーニングをしています。Aグランドの周りを、全速力で1周ダッシュしては休憩の繰り返し。石井コーチが秒数を読み上げているので、どうやら、決められた速さ以内で回らなければならないようです。

　フィールドプレーヤーたちは、ジョギングが終わると、スパイクに履き替えて、サーキットトレーニングに入ります。満男選手のランニングシューズは白地に赤のライン。スパイクは黒字に白のラインが入ったもので、多分、去年から使っているプーマのものでしょう。

　本山選手は、ナイキのシューズを履いています。A3杯はケガで登録を外れていた、本山選手も本田選手も、今日は、ほかの選手と全く同じメニューをこなせているようです。

　センターバックの4人の選手は、グランド中央で別メニューのサーキットトレーニング。そのほかのフィールドプレーヤーたちは、4組に分かれます。

　ポールを回るコース、地面に置かれたフラフープを片足跳びで飛んでいくコース、小さな障害を細かく越えていくコース、2つのコーンを結んで置かれたバーを、大きく飛び越えて行くコースの4つの短いコース。10回くらい同じコースを走ると、次のコースと、順番にこなしていきます。満男選手の体の動きはスムーズで、膝と足首が、すごく柔らかく感じます。

　4時頃、羽田選手が出てきて、Bグランドの周囲をウォーキングし始めます。軽やかな足取りは、もう少しで走れそうな感じ。ブラジルまで治療に行った甲斐があったようです。

　サーキットトレーニングが1セット終わると、少し休憩。次のコースに移動します。満男選手は、水を飲んだあとのペットボトルを、ボトンと地面に落とします。

　フィジカルトレーニングにはあまり興味がないのか、セレーゾ監督は、通訳の高井さんに足を押さえさせて、腹筋をやっています。

　GK練習が終わった加藤選手。辛いリハビリの気を、すこしでも紛らわそうというように、羽田選手とグランドを歩きます。珍しく、早めに練習の終わったGKたちは、先に上がって行きます。

　サーキットトレーニングは、まだまだ続きます。曽ヶ端選手のきつそうなトレーニングも、まだ続いています。曽ヶ端選手と高井さんが、競争で走り始めます。全速力で見学席の前を走って行く2人。練習中の選手たちも、面白そうな顔で、いっせいに2人を見ています。満男選手も、指さしそうな勢いで、笑いながら見ています。わずかに、高井さんが先でゴールイン。曽ヶ端選手の悔しそうな大声が、グランドにこだまします。

　満男選手は、走ったあと、ちょくちょく鼻を気にします。手袋をはめた手を、鼻に持っていっています。大きな咳も「ゲフ!」と1回。風邪か花粉症かと、ちょっと気になります。

　アジア・チャンピオンズリーグが近いせいか、テレビカメラが1台。ジェレミー・ウォーカーさんも来ています。寒い中、社長も出てきて練習を見守ります。

　CBたちの練習が終わってから少しして、4時半前に、満男選手たちのサーキットトレーニングも終了。声がかかって、ジョギングでクールダウンです。満男選手は、何か気になるのか、しばらくのあいだ足を振り出すように走ります。

　野沢選手は、反対側のグランドの羽田選手のところまで行って、話しかけてます。ジョギングしなきゃいけないから、ペースがあわなくて、最初はちょっと先に行きかけた野沢選手ですが、結局、羽田選手のペースにあわせて、ウォーキングになってしまいます。みんなが、羽田選手のことを気に掛けているのが、よく分かります。

　上がって行こうとする満男選手に、コンディションでも確かめるのか、近づいていく関塚コーチ。ふざけて体をぶつけながら話しかけます。ちょっと避けるそぶりの満男選手。それでも、2〜3回体をぶつけながら、笑顔で言葉を交わしています。

　ゴールポストを両手でつかんで、体を支えながらのストレッチ。そして、上がりかけに、置いていたランニングシューズを忘れて、くるりと回転して戻ってくる満男選手。シューズを拾い上げ、両手に持ったシューズを、パンパンとたたき合わます。マネージャーの明智さんと前後になって、笑顔で話しながら上がって行きました。

　選手たちの上がったグランドには、石井さんに付き添われて腹筋をする羽田選手と、黙々とジョギングする中島選手の姿。熊谷選手、柳沢選手、内田選手は外に出てきませんでしたが、クラブハウスで姿は見かけたので、室内トレーニングをしていたのでしょう。

　最高気温6℃の鹿嶋から、35℃のバンコクへ行って、3試合をこなすのは、本当に難しいでしょう。3日後の出発を前に、最後のフィジカルトレーニングで、みっちりと体を作っていた選手たち。どうか、コンディションを崩すことがありませんように。