2000/9/20(Wed)

　夜6時からのオリンピック、ブラジル戦を見ようというつもりなのか、急遽30分切り上げて3時開始になった今日の練習。見学者がとても少なくて、練習開始時間になって選手やスタッフが出てきても、使用されるはずのBグランド（ピッチが2つ並んでいて、建物から遠い方のピッチをBグランドというらしいです）の見学席には誰もいません。これもブラジル戦の影響なのかしら。建物の側から遠巻きに見ても、とても満足には見えないので、恥ずかしながら一人Bグランドの見学席に向かいました。ほかの人が来てくれるまで、見学席に10分間ぐらいは一人でいたのかな。すっごく恥ずかしかったです（汗）。

　Bグランド側の見学席に到着したときには、もう、鳥かごが始まってました。わたしにとっては、オフ開け始めての練習見学、選手みんなの様子が気になるところだったのですが、金古選手も中島選手も鳥かごに入っていて、どうやら全員が元気そう。今日から練習に合流したらしいファビアーノ選手だけは、ずっとグランドの周りをランニングしていましたが、金古選手、中島選手は、最後まで、みんなと全く同じ練習をこなしました。

　鳥かごは、二組に分かれて、コーチが大きな声で、パスをつなげる回数を数えながらです。満男選手、今日は失敗して中にはいる回数が多くて、なかなか思い通りに行っていないよう。金古選手に出たボールをカットしようとして、伸ばした足の目の前でパスを回されて、「あ゛〜!!」とくやしがって、金古選手の胸を押していました。もちろん、胸板の厚い金古選手はびくともしてなかったですけど（笑）。

　鳥かごが終わってから、ストレッチ。今日も、野沢選手と一緒。なんだか、話の方がはずんでるみたいで、立ったままの前屈で手をつま先につけながらも、頭だけ上げて、ずっと野沢選手と話してました。座ってストレッチしながら、野沢選手のシューズの甲の部分を触ってみたり。自分のも触って比べてみて。野沢選手のシューズ、新しいのだったのかも。そうそう、ストレッチのときじゃないんだけど、野沢選手、満男選手のもみあげを触ってた気もするけど、見まちがいかな。それとも、芝でもついてたのかしら。

　ストレッチの最中に、通訳の人が監督に言われるままにビブスを選手の足下に落としていきます。監督も、小さいコーンみたいなものをピッチに置いたり、自分から動く人だから、通訳の人もビブス配給係にされても、文句言えないよね（笑）。で、最後に黄色いビブスが1枚残っちゃって、配り忘れた人がいるみたい。困った通訳の方、指を折って人数数えたりしてみて、結局、そのビブスは満男選手の足下に落とされました。

　ストレッチが終わると、さっそくビブスの色で、黄色チーム、白チーム、ビブスなしチームの、6人ずつの3組に分かれてミニゲーム。一人人数があわないので、関塚コーチが入って。でも、ミニゲームの最中に、関塚コーチ、足を痛めちゃったみたいで、結構長い間手当受けてたけど、大丈夫だったかしら。 　ミニゲームは、2組の選手たちがパスを回して、残りの1組の選手がそのボールを奪うというもの。セレーゾ監督から15回以上つなごうっていう指令が出てました。今日は人が少ないせいか、コーチングの声がよく聞こえます。「つないで」「近く、近く」とか、「遠く!」とか、相変わらず秋田選手の声が通ってます。ボールを奪いに行くときにも、「まだまだまだ」とか「そこだ」とか。秋田選手、途中で、なにやらボールを奪うこつを満男選手に伝授。熊谷選手は、満男選手がボールを持ったときに、「オガサ!　ミツオ!　ミツ!」と立てつづけに呼んでたり。満男選手は、果敢にボールを奪いに飛び込んでいったと思うと、妙に遠くで動いていたり。一度、ボールからすごく遠いところから、腰をかがめて、わざと低い姿勢をとって、じっとボールの行方を見てたんだけど、独自の作戦でも考えてたのかしら。満男選手、ちょっと体のきれが悪い印象だったかな。

　休憩を一回挟んでミニゲームが終了。吸水などしながら、みんなビブスをいっせいに脱いだんだけど、一人、満男選手だけはリフティングをやっていて、自分の世界に入っちゃってたみたい。ビブスつけたままで、そんなこと一向に気にする様子もなく、次のMFとFWのシュート練習に入っていきました。しかも、ビブスの裾を持ち上げて、顔の汗拭ったり（笑）。さすがに、シュート練習始まってすぐに、ホペイロの人にうながされたのか脱いでましたけど。

　シュート練習は、最初、ハーフラインくらいから一人でドリブルで持ち込んで、キーパーと1対1で、遠目からシュート。これって、結構決まらないものなのね。そのあと、もっと近くまで持ち込んで打ってみたり、バリエーションを変えながらやっていました。ナイスシュートのときは、選手たちがいっせいに拍手。今日、一番拍手もらってたのは中島選手じゃないかな。ひさびさに練習に合流した中島選手、ミニゲームでは、まだ慣れない感じがあったけど、さすがにFW、シュートはよく決めてました。野沢選手のシュート決まったときかな、祥朗選手が一人拍手してたり。満男選手は、熊谷選手のシュートが決まったときに、一人拍手してたり。キャプテン本田選手は、拍手も率先する感じがあったり。そんな様子見てるだけでも、結構、おもしろいものです。

　そして、遠目から打つシュート練習のときかな、またまた、幸聖選手のまねかと思われる動作を、満男選手は見せてました。大股で手を思いっきり前後にしながら走っていって打つ感じ。まねかどうかははっきりはわからないけど、幸聖選手に対して、その動作をしてみせるときの顔が、いたずらっ子というより、すでに、いじめっ子（笑）。こういう表情見てると、世の人々が満男選手を評して、淡々としてるとか、おとなしいとかっていうのって、絶対なんか違う気がしてきます。今日は、隆行選手にもいたずら。なぜだか、こぶしでドンドンと隆行選手の背中をたたく満男選手。隆行選手がいやがって、手を振り払ってるのに、さらに続けてやって、もう一度振り払われてました。そのあと、本田選手も、隆行選手の背中をボンと大きく1回たたいてたから、何かあったのかな?

　シュート練習も最後に近づいた頃、DFを背にして、胸でボールを落とし、直接足で受けて後ろ向きにDFの頭を越すようにボールを出し、体を反転させて、ボールを追ってシュートという練習が始まりました。セレーゾ監督がいつものようにDF役になったのですが、もう一人のDF役に通訳の方を任命。満男選手、超軽量級DFの出現に、最初、すごくとまどってたみたい。失敗して激突しちゃったりしないように、後ろに手を回して通訳の人と自分との距離を、慎重に測ってました。セレーゾ監督が相手のときは、全然そんなこと気にしてませんでしたけど（笑）。この練習は珍しく満男選手、苦手だったみたいで、監督にアドバイス受けたりしながら取り組んでました。

　シュートが外れると、時に、「あ゛〜!!」という声を上げる満男選手ですが、満男選手がいいシュートを決めたとき、選手の一部から盛大な拍手が、なんだか、いつまでも鳴りやまないと思ったら、DF陣の練習の終わった名良橋選手が合流したところでした。さすが、目立たずにはいられない名良橋選手です。ちゃんと、攻撃練習もするところは、とっても立派だけど（笑）。

　3つのコーンをドリブルで抜けてシュートの繰り返しで練習終了。終わったあと、芝の上に寝ころんだ選手たち、各自腹筋をはじめました。厳しい顔つきで腹筋していた満男選手ですが、やはり、それだけでは終わらせたくなかったよう。起きあがると、すぐにボールを蹴り始め、野沢選手とパス交換。何か2人の間でルールを決めているのか、ときどき、野沢選手が勝った〜とばかりに手を上げたりしてました。そして、ふと気づくと、セレーゾ監督は幸聖選手が腹筋をするために、自分の足で幸聖選手の足を押さえてあげていたのでした。監督に足押さえられたら、ぜったいきっちりやらなきゃいけないから、幸聖選手、大変だったでしょうね。

　ほとんどの選手が上がっていくなか、満男選手と野沢選手は、ずいぶん長いことパス交換をしていたのですが、突然、ホイッスルが吹かれます。こんなことをするのは、もちろんセレーゾ監督。昨日に引き続いて、今日も早く帰れと言われるのかと思ったら、どうやらそうではなかったよう。「オガ、オガ」と満男選手を呼んで、15メートルくらいの距離でかな、パス交換をはじめます。なにをしようとしてるのかと思ったら、満男選手が蹴ったボールを、直接膝に挟んで止めます。どうやら、同じことを満男選手にやれと言っているよう。言われて挑戦しない満男選手じゃありません。果敢に挑戦。でも、セレーゾ監督の足の長さなら、さりげなく挟めるボールも、満男選手にはちょっと難しい（汗）。満男選手、監督のパスを思いっきり、がに股なポーズで待ちかまえます。何度かやるうちに、成功。そして、また挑戦。ボールが膝の位置より、もう少し上に当たったりして、スタッフさんから「まだ、新婚なんだからさ〜、ダメだよ……」と思いっきり大きな声でひやかされて（笑）。その声にも耐えて挑戦を続け、2度目を成功させました（笑）。セレーゾ監督、なにを考えてこんなことやったのかしら。ともかく、満男選手のことを気に入ってるらしいことはわかりました（笑）。

　そして、セレーゾ監督がそのゲーム（?）をやめるとすぐに、また満男選手はボールをゴールにループで蹴りみます。なぜか、ちょうどゴール前にいた松島選手、そのボールをクリアして、そのあと、何回もシュートする満男選手におつきあいしてました。5時15分くらいかな、最後の最後までボールを蹴っていた満男選手は松島選手やスタッフの人たちと、ロッカールームに引き上げていきました。

　電撃入籍の発表後、初めてみる満男選手の練習風景は、いつもと変わりませんでした。ちょっと、肩すかし食らうくらいにね。でも、それがとっても安心だったりします。いつまでも、ボールを触っているのが大好きな、今のままの満男選手でいてほしいと思った夕方でした。