2003/1/1(Wed)

　試合終了後、両チームが1列に並んでの挨拶をすませたのち、満男選手は、秋田選手と並んで、ホーム側のタッチラインに向かいます。ベンチコートを持って駈け寄ってきたスタッフが、サポーターの挨拶に向かった選手たちを気にしてか、声をかけているようですが、2人とも、そのまま歩き続けます。秋田選手は、ボトルを拾うと水分を補給し、サポーターへの挨拶に戻りますが、満男選手は、タッチライン辺りで、左右のストッキングを下ろし、プロテクターを外すと、ゆっくりとベンチに向かいます。ベンチの関ドクター、関塚コーチ、そして、セレーゾ監督が、満男選手を迎え入れます。少し心配そうな様子で、満男選手に声をかけるドクター。セレーゾ監督は、満男選手を軽く包容し、労います。サイドスタンドのサポーターに挨拶している仲間たちを、ベンチから見守る池内選手。その隣で、腰を下ろして、満男選手もそちらに目をやっています。

　スネの辺りを少し気にしている満男選手。ドクターものぞき込みますが、大きなケガではないのか、もう以前からのことでさほど心配していないのか、すぐに離れていきます。ベンチに座った満男選手の足元に、トレーナーの竹田さんがしゃがんで、なにやら、チェックをしているようです。両方のシューズの紐を解いた満男選手ですが、表彰式のことを考えてか、シューズをはいたまま、竹田さんにチェックを受けています。

　サポーターへの挨拶をすませた選手たちは、準優勝の表彰のためにベンチ前に集まります。その中で、ベンチコートのフードをかぶって泣いている様子の選手が1人。ケガを押してスタメン出場し、途中交代になった内田選手でしょうか。満男選手は、その様子に気づいて、軽く声をかけたように見えました。敗戦を人一倍悔しがる満男選手ですが、今日は涙はないようです。

　階段を上がり、銀メダルの表彰を受けたあと、サンガの表彰のためにフィールドに留まらなくてはならない選手たち。表彰式が終わると、はしゃいでいるサンガの選手たちを残して、メインスタンド下に去って行きました。

　前半15分、満男選手は、左サイドに流れ、パク・チソン選手の守備についたところから、見事にボールを奪い、前線に供給。先制点の起点となりました。

　アントラーズは、後半、サンガの出足の勢いに押され、小さなミスが続き、左サイドからのFKで1点を奪われ同点に。その後も、ペースが取り戻せませんでした。青木選手が入った時には、満男選手が右サイドで対面する鈴木慎吾選手の守備から解放され、中央で自由にプレーできるようになるかと思ったけれど、守備は安定せず。真ん中に絞った鈴木選手をつかみきれずに逆転され、その後も、優勢になれないままに試合終了のホイッスルを迎えました。

　大学生と、J2の2チーム、そしてJ1の1チームに勝ち上がって、決勝に臨んだアントラーズ。負けてしまったとうことは、優勝するためには何かが足りなかったということでしょう。来季、その何かを克服し、たくさんの勝利をつかんで欲しいと思います。